「さすが西成」と言わざるを得ないモーニングセットがこちらです
喫茶店のモーニングセットといえば、珈琲にトーストといったスタイルがスタンダードだろう。
だが大阪市西成区のとある居酒屋では、お酒とつまみのセットを朝から提供しているらしい。それを「西成モーニング」というそうだ。
こちらをご覧いただきたい。
こちらはツイッターユーザーの薔薇園花江さんが2020年6月16日に投稿した写真。「西成酒場 成り屋」という立ち飲み屋の前で撮影した看板の写真で
「西成モーニングにすべきか...
普通のモーニングにすべきか...」
と呟く。看板を見ると開店する9時から12時まで、お酒か珈琲(紅茶)のモーニングサービスが提供されるという。
日本を代表するディープスポットとして知られる西成。看板を見たユーザーからは、ツイッターに
「アル中モーニング」
「さすが西成やでぇ!」
「西成モーニングは夜勤明け看護師さんたちに喜ばれるかも...」
「経験上夜勤明けか昼勤かで決まる」
といった反応が寄せられている。
巨峰酎ハイにゆで玉子と筑前煮がついて350円
看板を撮影した薔薇園花江さんは、ツイートが話題になったことを受けて、実際に店を訪れて西成モーニングを注文したという。巨峰酎ハイにゆで玉子と小鉢の一品。これで350円(税込)だったそう。
18日、Jタウンネットが薔薇園花江さんに詳しい話を聞くと、
「お店の中で経験したことをみんなに報告しようと思ってお店を利用しました。
普段は朝からお酒を飲む人間ではありませんが、これだけバズったので皆さんの期待に応えようと思って西成モーニングを注文しました。朝から酒を飲んでダメな人間になってみたいと思いました」
西成のモーニングは、お酒と決まっているのだろうか。大阪出身だという彼女に、ポピュラーなものなのかと聞いてみると
「西成は他のところでもお酒を出すモーニングというのがあるらしいですね。でも私はここの店しか知らないです」
という。
もう少しだけ「西成モーニング」について知りたいと思ったJタウンネット。「成り屋」の店主に話を聞いてみることにした。
なぜ「西成」と「A」モーニングでわけているのか
23日、Jタウンネットは成り屋の女将・日髙裕美さんに取材した。
朝から飲める「西成モーニング」を提供している理由を聞いてみると...。
「西成の土地柄、朝から開いているお店が多いです。そのため朝から飲む人たちが多いんですね。例えば日雇いの人やホームレスのかた、年金生活の人。とにかく朝から飲める街で有名なので様々な人が来店します。
そんな方たちに向けてお酒とゆで玉子、日替わりの一品を付けた『西成モーニング』を提供しています」
17年にオープンした成り屋は9時から23時まで営業している。
朝から昼の時間帯は酒好きな人だけでなく、子連れの親やママさん達が利用することもあるという。そのためお酒が飲めない、飲みたくない人向けに、一般的な「モーニング」のセットも用意しているそうだ。
「なかにはお酒を飲めないお客様もいるので
『朝からお店や西成の雰囲気を楽しみたい...、けどお酒はいらない』
『お酒はすごく飲むけど、昨日飲みすぎて朝は珈琲や紅茶がいい』
という人向けに珈琲とパン、サラダ、ゆで玉子のセットを出しています。普通の喫茶店にいったら食べられるスタイルのモーニングもあったら、とりあえず一石二鳥なんかなって」
女将さんによれば、朝から飲める「西成モーニング」のセットを提供しているのは、成り屋だけでなく、他にも何店かあるという。老若男女が朝からワイワイ過ごすのが西成の特徴なのかもしれない。