これはブロンズ像?いいえ、泥遊びを楽しみすぎた競走馬の姿です
これほどまでの「泥パック」は見たことがない――。そんなツイートが注目を集めている。
投稿に添えられていたのは、こんな写真だった。
鼻の先から尻尾まで、見事に泥まみれになった馬。まるでゾウのような色合いで、元の毛色が分からないほどだ。
たてがみは濡れてぴったりと首筋に貼りつき、風になびきそうもない。歩いている途中だろうに動きがあまり感じられない馬の様子に、
「パッと見、ブロンズ像かと思いました!見事な泥パックですね」
「競馬場に有る記念の銅像みたい」
「思わず彫刻家の名前が知りたくなるほど良く出来たブロンズ像かと」
などの反応が寄せられている。
投稿者「ここまでやるとは...」
なぜこんなことになったのだろう。Jタウンネット編集部は2020年6月13日、牧場で馬の世話をしているという投稿者に詳しい話を聞いた。
投稿者によると、写真に映っている馬は競走馬で、現在は投稿者のもとで短期間の休養中だという。泥に塗れたのは、放牧中の出来事。
「水溜まりをバシャバシャしていたので、これはやるぞ、と思って見てました。
泥浴びするのは別によくある事なので、やっぱりやりよったかと思いながら見てました。
ただ、ここまでやるとは思いませんでした」
競走馬は普段、調教以外では馬房にいることが多いので、走り回れる放牧地に話すと興奮して走り回るそうだ。そうすると、体温が上がり、発汗し、ハエや蚊が集ってくる。
投稿者によれば、体温を下げたり、虫から表皮を保護したりするために泥を浴びると考えられるそう。とはいえ、
「ただ泥遊びが好きな馬もいると思います」
とのことで、今回ブロンズ像のようになってしまった馬がどちらかは分からない。
馬についた泥は、投稿者が全て落としてきれいにしたという。
「今回はある程度乾いてから比較的硬めのブラシ、金属製の物を用いて泥を落としていきました。
筋肉がある部分はいいですが、骨が近い所や、馬に拠りますが腹下や足の付け根を嫌がる馬もいますので大変です。
また粉塵が舞うので、作業している人間はそれが辛いです。
環境が整っていれば、ぬるま湯のシャワーで綺麗に洗います。
特にサラブレッドは脚が大事ですので脚先はシャワーで洗いました。
洗った後はしっかりと水気を取る必要があります」(投稿者)
筆者の自宅には体重11キロほどの犬がいるが、そんな小さな犬でさえお風呂に入れるのには骨が折れる。ましてや人間より大きく、力のある競走馬の全身に泥がついているのだから、作業の大変さを想像すると気が遠くなる。
その苦労を知っているユーザーからは、
「担当していたら軽い絶望を覚えるだろうな...」
「こんなにされたら絶望して笑う。笑」
といったコメントが寄せられていた。