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「今夜は、カブトムシに会いたい」 通行人も困惑?何を宣伝したいのか謎すぎるポスターが話題に

笹木 萌

笹木 萌

2020.05.28 06:00
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「今夜は、カブトムシに会いたい」

こんなキャッチコピーのポスターが、ツイッターで話題になっている。

なぜカブトムシなのか(画像はバイオーム提供)
なぜカブトムシなのか(画像はバイオーム提供)

カブトムシ...?意味が分からない、という人がほとんどだろう。ポスターの男性は虫かごを首からぶら下げ、虫取り網を手に持って誰かと通話中の様子である。

「ごめん、今日は大事な予定があるんだ」

の一言から察するに、カブトムシを取りに行くため誰かの誘いを断っているらしい。スーツを着用しているのを見るに、仕事帰りかもしれない。現実ではまず見かけない、レアな状況だ。

しかしこれ、いったい何のポスターなのか。何をアピールしたいのか、肝心の部分が全く分からない。

こうした反応はツイッターにも相次いでいて、

「なかなか攻めてるね...」
「なんだこのポスター、いいこと言ってるが、何を宣伝してるポスターかは不明...」
「めっちゃ笑いました 全然共感できない&正体不明ポスター!」
「さーそーわーれーたーあたしーはーカーブトームーシー的な奴ですかね...?」

といった声が寄せられている。

ポスターの右下には、「バイオーム」とある。スマホカメラで撮影した生物の名前をAI技術によって判定するアプリらしいが...。Jタウンネットは22日、アプリの開発・運営を手掛けるバイオーム(京都市)に取材した。

そもそも何を伝えたかったのか

バイオームの担当者によれば、これはJR九州、ベンチャー企業との連携を図るJR東日本スタートアップ、JR西日本イノベーションズの3社と協業して実証実験を行うにあたって制作・掲出したポスター。

2月中旬からJR東日本・JR西日本・JR九州の駅構内や、企画でコラボした全国の動植物園などで掲出されている。

(画像はバイオーム提供)
(画像はバイオーム提供)

実証実験は「バイオームランド」というイベントとして実施されている。期間は3月1日~5月31日まで。イベントにはアプリから参加し、ターゲットの生き物を撮影して投稿することで、クエストを達成していくという仕組みになっている。

しかしなぜそのイベントが「今夜は、カブトムシに会いたい」というコピーで表されてしまったのだろうか。担当者に聞いてみると、

「人の往来が激しく、忙しくしている人が多い駅構内において、一瞬で気を引くキャッチコピーであること。『バイオームランド』の企画コンセプトである『いきものを探す冒険にいく』という冒険感を表現できること。こうした要件を満たすものとして、一見すると『なんだこれ?』と頭にハテナが浮かぶようなキャッチコピーを採用しました」

たしかに、何の宣伝かは分からないが、キャッチコピー自体は記憶に残りやすい。

ちなみにポスターの状況は「仕事終わりにかかってきた恋人からの電話に対して、今夜は大事な予定があると伝え、虫取り網をもってカブトムシを探しに行ってしまう」という設定になっているそうだ。

探しに行く対象としてカブトムシを選んだのにもちゃんと理由があり、

「電車を利用することの多い30〜50代の男性に刺さる『いきもの』でありながら、知名度も高い代表的な『いきもの』としてカブトムシを採用しました。最終的には、『今夜は○○に会いたい』というキャッチコピーが固まったときに、カブトムシが夜行性の生き物であることが決定打になりました」

と担当者は話している。

アプリの情報「削りすぎたかも」

アプリの情報を省き、インパクトを重視した今回のポスター。あまりにも「分からない」という声が多かったのだろうか、担当者は、

「ポスターの内容が気になってSNSで調べたり話題になったりすれば自然とアプリの利用者が増えると考えましたが、削りすぎたかもしれません笑」

と振り返る。

ただ、YouTubeではPVも公開されていて、こちらではポスターよりも詳しい情報を伝えている。PVは、山手線や京浜東北線の車内を流れる「トレインチャンネル」でも一時流れたという。

ツイッターではポスターの男性に対するコメントも少なくない。彼はYouTubeでの動画配信や俳優として活動している「もりすけ」さんだ。「残念なイケメン」を自称し、ツイッターでは30万人近いフォロワーを抱えている。

彼を起用した理由を聞いてみると、

「単なるイケメンではない、シュールさ・面白さを持ち合わせている『もりすけ』さんが『恋人よりもカブトムシを優先して会いに行ってしまう』というありえにくいシチュエーションにマッチしていると考えました」

とのこと。

担当者はポスターが話題になったことについて、

「残念ながらコロナウィルスの影響もあり、ポスターを見ていただく機会が減ってしまいましたが、話題になることができて非常に嬉しく思っています。ぜひアプリをインストールして、人の密集しない野外でいきもの探しを楽しんでいただければと思います」

としている。ポスターはイベント終了日の31日まで掲出予定だ。

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