客室カーテンを「ドット絵」風に 仙台ホテルの粋なメッセージに反響「すばらしい」
宮城県仙台市にあるホテルメトロポリタン仙台が、客室の窓のカーテンで描いたイラストが話題になっている。
ビルに描かれているのは、なんだか顔のようだ。まるでドット絵のような雰囲気である。たまごっち...? と思う人もいるかもしれない(しかし相当古い)。
実はこれ、「むすび丸」という宮城県の観光PRキャラクターなのだ。地元では人気のご当地キャラで、おにぎりと郷土の英雄・伊達政宗公をモチーフに誕生したそうだ。
あるユーザーがこの光景をツイッターで紹介したところ、約2万件のいいねが寄せられ、話題となっている。ツイッターには、
「こんな遊びいいなぁ カワイイ」
「すばらしい!」
「これもホテル稼働率が激減してるから出来ることなのかもしれないと思うと、ちょっと切ない」
などといった声が寄せられている。
Jタウンネット編集部は、2020年5月13日、このメッセージを発信したホテルメトロポリタン仙台(仙台市)に取材した。
「東北を元気にしたい」
ホテルメトロポリタン仙台総支配人室の広報担当者によれば、「むすび丸」の顔を表現したのは、5月12日だ。客室のカーテンを開けて「むすび丸」を再現したという。
このユニークな試みのきっかけを聞くと......。
「ホテルメトロポリタン仙台イーストは、コロナウイルス感染拡大防止の観点から4月15日より臨時休業としている状況です。
閉館中ではありますが、地域の皆さまに少しでも役に立ちたいとスタッフから提案があり、宮城県の観光PRキャラクターである『むすび丸』を描くことで、東北を元気にしたいというメッセージを発信しました。
ホテルのフロントスタッフが、世の中全体が自粛ムードの中、地域の皆さまの癒しになればとの思いで考えたものです」
ちなみに休業中なのは、「ホテルメトロポリタン仙台イースト」の方で、仙台駅西口の本館「ホテルメトロポリタン仙台」は営業している。徒歩数分の距離にある東口の「イースト」が休業中だという。
「むすび丸」メッセージは、休業の間は続ける予定とのこと。
仙台市民からの反応はどうだったのだろう?
「12日午後からSNSにアップされ、いま現在も拡散されており、予想以上に反響が大きいです]
むすび丸を起用した取り組みについては、
「2013年に開催された、仙台・宮城デスティネーションキャンペーンの際にJRグループのホテルとして観光キャンペーンを盛り上げるため、ケーキやグッズなどのむすび丸商品の販売や、中庭の花壇では花でむすび丸の顔をつくるなど行っています。県外のお客様はもちろん、地域のお客様にもご好評いただいています」
......と答えてくれた。
ところで新型コロナウイルス感染拡大の影響で、ホテルメトロポリタン仙台の売上は4月、対前年で9割程度減だという。東北新幹線を利用する乗客も大幅に減少している。
誰しも先行きが不安な中、駅前のビルに大きく表示された「むすび丸」の顔に、多くの人々が勇気づけられたことだろう。