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鹿児島ホテルに「チェスト」の4文字 客室照明でメッセージ、支配人の思いを聞いた

笹木 萌

笹木 萌

2020.05.08 17:00
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鹿児島のホテルが、客室の照明を使って発信したメッセージが話題になっている。

(画像はソラリア西鉄ホテル鹿児島提供)
(画像はソラリア西鉄ホテル鹿児島提供)

建物に浮かび上がったのは、「チェスト」の文字。タンス...?と思う人もいるかもしれないが、実はこれ、鹿児島ではお馴染みの言葉。気合を入れるときなどに使う掛け声として知られている。

あるユーザーがこの光景をツイッターで紹介したところ、約2万件のいいねが寄せられるなど話題に。投稿には、

「コロナにチェストーッ!!てか?好き」
「鹿児島のチェスト愛に感服しました」
「今の状況に持ちたい心意気ですね!」

といった声が寄せられている。

一夜限りのメッセージ

Jタウンネットは2020年5月8日、このメッセージを発信したソラリア西鉄ホテル鹿児島(鹿児島市)に取材した。

取材に応じた総支配人によれば、「チェスト」の文字を現したのは、7日の16時~22時の間で一夜限り。客室の照明をつけ、カーテンを開けて文字を再現した。

また、ホテルの建物全体を青く照らしているのは、医療従事者を応援するために以前から実施している「ブルーライトアップ」という企画のためだという。

「チェスト」の意味について、支配人に聞くと...。

「剣道・示現流の気合の言葉です。諸説ありますが、気合を入れて前に進むという意味もございます。若者が積極的に使っている言葉ではないですが、鹿児島の人が見れば『気合いだ』という意味を感じ取っていただけると思います」

示現流は薩摩藩を中心に伝わる剣術で、18年放送の大河ドラマ「西郷どん」(NHK)でもこの掛け声はたびたび登場した。実生活で使うことはあまりないそうだが、「鹿児島人ならばみんな知っています」(総支配人)。

元気出る(画像はソラリア西鉄ホテル鹿児島提供)
元気出る(画像はソラリア西鉄ホテル鹿児島提供)

ソラリア西鉄ホテル鹿児島では、これまでにも照明を使って文字を表現してきた。

建物内は通路を挟んで桜島側と鹿児島中央駅側に部屋が分かれており、文字を出すときは桜島側に客を集めるようにしている。しかし場合によっては駅側に宿泊者がいることもあり、今回もそういった人には「お願い」する形で協力してもらった。

総支配人は「チェスト」という言葉を選んだ理由を、

「ホテルでどのようなことができるかと考え、『つらい環境ではあるけど、顔を前に向けて進んでいこうという』メッセージを街に出せればと思いました」

と話す。

ソラリア西鉄ホテル鹿児島は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で売上は例年の10分の1にまで落ちている。誰しも先行きが不安な中、駅前に大きく表示された「チェスト」の言葉に、多くの鹿児島人が勇気づけられだろう。

ツイッターでの反響について、総支配人は「ここまで来るとは思わなかった」と驚きつつも、

「今までは何かを知るということはマスメディアを通じてが基本でしたが、(SNSの普及により)思いが伝わりやすい時代になったのかなと思います」(総支配人)

としている。

たしかに、SNSでの拡散により「チェスト」の言葉は県外の鹿児島出身者や、コロナの影響で鹿児島に来られなくなってしまった人にも届いたはずだ。

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