グーとパーでチームを分ける「アレ」、全国に50パターン以上の掛け声が存在することが判明
子供の頃、ドッヂボールやドロケイのチーム分けをじゃんけんで決めたことはあるだろうか。じゃんけんの3つの手の内、2つだけを使って2グループに分かれる、その時の掛け声は一体何だっただろう。
小学生時代を神奈川県で過ごした筆者は、
「グッとパーでわっかれーましょっ」「グッパージャス」
という2種類の掛け声を使っていた。あいこになったときは、「わかれましょ」あるいは「ジャス」を繰り返す。ジャスが何を意味するかは不明だが、ジャスティスなのではないかと思っていた。
しかし、その後引っ越した兵庫県南西部の中学校では「グー、とー、パー」が主流だった。あいこになったら「グッとっパッ」と続けていた。どうやらこの掛け声、地域によって異なるようだ。
そこで、Jタウンネットでは2019年10月12日付の記事「グーとパーでチームを分ける『アレ」の掛け声、何だった?」で、全国にどれだけのバリエーションがあるのか、読者の皆さんの力を借りて調査してみることにした。
「グーとパーでわかれましょ」がベーシック?
今回編集部には、67人の読者から投稿が寄せられた。一人で複数のパターンを知っている人もいて、かなりのバリエーションが揃ったのでご紹介しよう。
まずは、複数の人が知っていた掛け声だ。
もっとも多かったのは、筆者も使っていた「グーとパーでわかれましょ」系。9人が投稿してくれた。
「グーッパーで分かれましょ!」(岩手県年齢不明)
「ぐっとぱーでわかれましょ」(三重県20代女性)
を基本形として、
「グッパーエスで別れましょっ」(千葉県10代女性)
「ぐっぱーでわっかんしょ じーやんほいでした!合わなかったら あーやんほい そーやんほいってなります笑」(山口県10台女性)
などの変化系もある。意味は逆だが、「ぐっとっぱーで合った人」(福島県50代男性、栃木県20代女性など)もこの系統と考えていいかもしれない。
似た形で、「グッパーわかれ」と言う掛け声を教えてくれた読者も5人いた。こちらも助詞があったりなかったりで、
「グッとパーでわかれ!
それであいこだった場合『おーらっしょい』って掛け声でまた出します!」(愛知県20代)
「『グッパでわかれ!なってない!なってない!なってない!なっちゃった!』でした。
小学生の頃は『グッパでわかめ!』という言い間違いが多発しており、大人になってもそのままの人がチラホラいます」(大阪府20代女性)
など。「グッパでワッカーメ!」と答えてくれた読者(兵庫県、10代女性)もこのパターンかもしれない。「わかれ」系を投稿してくれたのは、愛知・三重・大阪・兵庫の読者。西日本で使われることが多い掛け声なのだろうか。
シンプルでリズミカルな掛け声も
よりシンプルな掛け声を使っていた読者も少なくない。
「グーッパ」、「ぐっとっぱー」(岩手県、茨城県20代女性、神奈川県30代男性など)
「ぐっぱーほい」(兵庫県30代)、「ぐっぱっせ」(神奈川県30代男性)、「ぐーがっぱ」(岩手県10代女性)
など勢いのある掛け声が集まった。一瞬でチームが決まりそうだ。
一方、相手がどちらを出すのか駆け引きを楽しめそうなのが、ちょっと長めでリズミカルな掛け声だ。
例えば、
「グッとっパーでグッとッパ」(大阪府20代女性、兵庫県10代女性)、「グーとパーでヨーロッパ」(滋賀県20代女性)
「グーパーでどすこんべ」(兵庫県40代女性)、「グッパーでーにっしんでー!」(兵庫県30代女性)
などのように語感の良い言葉を続けたり、
「グッパーグッパー、グッパッパ!」(青森県20代、三重県20代女性など)
「ぐっぱーぐっぱー、ぐっぱでホイ」(大阪府30代女性、滋賀県40代女性)
「グーパーグーパーがっせーえ!」(秋田県10代女性)、「グッパーグッパー、チョーなっし!」(新潟県20代)
と「グーパー」を繰り返してリズムを作ったりする掛け声を使っていた読者も多かった。
「パーグージッサンジッサン、ホイ!」
特定の地域だけで使われていると思われる掛け声もいくつか寄せられた。
京都からは5人の読者が協力してくれたが、全員が
「グッパで組んでも文句なし」
「グッパで組んでもおこりなし」
を使っていたという。京都以外からはこの掛け声に関する情報はなかった。
高知の4人の読者は揃って
「グッパのそろいぞね」「グとパのそろいぞね」
だったと投稿。あいこになったら「ぞーね」と繋げるそう。確かに高知っぽい気がする。
さて、ここまでかなりのパターンを紹介したが、どれも初めて聞いた人でも「グーとパーでチーム分けするんだな」と理解できるものだろう。次に紹介するのは、知らなければ「なんのこと?」となってしまいそうな掛け声。
石川県出身の2人の女性は
「グーキーグーキーおっともいいぇす」「グーキーグーキーおーイエス!」
が使われていたとメッセージをくれた。
秋田県の男性は「いしっぺら!」を使っていたという。「石と紙」という意味で、グーとパーを指しているのだとか。兵庫県の投稿者が使っていた「いしふろじゃんけん、ほい」も同じような意味だろうか。
また、子供時代を富山県で過ごした60代男性は、グーを「ドン」と呼び、グーパー訳の掛け声は「少ないもん(者)勝ちのドンとパー」だったそう。
他にも、
「『パーグージッサンジッサン、ホイ!』でした。などの投稿が寄せられた。
泉大津市以外ではこの掛け声に出合ったことがなく、この掛け声を言うと必ず『なにそれ!?』と驚かれます」(大阪府40代女性)
「チーム分けの掛け声、グミグミグミジャンでした」(群馬県20代)
意外と多い「グーとチョキ」派
みなさんからの投稿をまとめるにあたって、筆者が最も驚いたのは、グーとパーではなく「グーとチョキ」でグループ分けをしていた、という声がかなり多かったことだ。
特に、北海道と愛知の読者からの投稿の多くは「グーとチョキで分かれていました」というものだった。
「私の住んでいる地域では、グーとチョキの『グーチーグーチー、あったっち!』がよく使われていました。揃わなかったときは『あったっち!』で繰り返します」(北海道女性)
「2つのグループに分けるときは、グーチーグーチーあったひと!でした。」(北海道20代)
と北海道の読者。ただ、投稿者の隣町の友人は「グーとパーで合った人!」と言っていたらしいので、北海道全体が「グーチーグーチー」で別れるわけではなさそうだ。
愛知では
「グーとチョキで、『ぐっぴーぐっぴー揃いもんが勝ちよ』でした!」(愛知県10代女性)
「グーとパーではなくグーとチョキで『ぐっぴーらーむーね』。
クッピーラムネが元ネタだと思われるけど、大抵の場合通じない。愛知県内でもマイナーな掛け声。高校では通じなかった。ちなみに高校では周囲に合わせた結果『ぐっとぱーで、そーろーい』に変化」(愛知県20代女性)
など「ぐっぴー」が使われることがあるようだ。チョキを使っていたかどうかの記載はなかったが「グッピグッピレッシング、あーらっせ!」(愛知県20代女性)という投稿も。
他には、「グーッチョ!」(山形県男性)、「くっつき決まればぐとちとじゃん!」(神奈川県50代女性)、「グッチーグッチーグーッチ」(岐阜県10 代男性)、「グッチーわかれ」(三重県20代女性)、「グーッチッ!」(三重県20代女性)、「ぐっちーで別れましょっ!」(和歌山県男性)などがグーとチョキで分かれる際の掛け声として使われていたようだ。
そして、極少数意見だが「チョキとパー」で分かれていた、という読者も。
「グーとパーではなくチョキとパーで『チィとパァで!』でした」(兵庫県30代)
さて、皆さんが使っていた掛け声はこの中にあっただろうか?
今回の記事でご紹介した掛け声は、全部で約50パターン。まとめながら、こんなにもバリエーションがあるのかと気が遠くなったが、おそらくこれは氷山の一角。まだまだ見知らぬじゃんけんの掛け声がたくさんあるに違いない。
人とチーム分けのためにじゃんけんをする時には、互いが使ってきた掛け声を確認してから臨んだ方が、混乱を避けることができるかもしれない。
Jタウンネットでは、この掛け声の地域差やバリエーションについて、引き続き調査を続ける予定です。
記事で紹介した以外の掛け声を使っていたという読者がいれば、読者投稿フォームまたはメール(toko@j-town.net)、公式ツイッターのダイレクトメッセージで、その掛け声と、住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別を明記してお送りください。――みなさま、ご協力お願いします!