まるでガラス細工...! 繊細すぎると話題の仙台銘菓「霜ばしら」を食べてみた
みなさんは冬季限定の仙台銘菓「霜ばしら」をご存知だろうか。
霜柱といえば気温が氷点下になる時、地中の水分が地表で柱状に凍結したもの。冬の風物詩ともいえるそんな現象を、そのままお菓子にしたような商品だ。
霜ばしらを販売するのは、仙台市で和菓子の製造・販売を手掛ける「九重本舗玉澤」。一つ一つが職人の手作業で作られ大量生産できないこともあり、入手困難ともいわれている。
この霜ばしらが、「とんでもなく繊細なお菓子」だとツイッターで話題になった。缶を満たしたきめ細かい粉の中から、白い光沢のある四角いお菓子を引っ張り出している様子は、まるでガラス製品を取り扱っているかのようだが...いったいどんな味がするのだろうか。
気になった筆者は「霜ばしら」を3月9日に注文。その時点で100人ほど待ちがあるとのことで、届いたのは約3週間後だった。
綿菓子をギュッとつぶした味?
九重本舗玉澤の公式サイトによると、霜ばしらの販売期間は10月~4月まで。衝撃・熱・湿気に弱く、缶の中には防湿と破損防止のために、もち米を原料とした「らくがん粉」が満たされている。
原材料は水あめ、砂糖、もち米、でん粉。さっそくフタを開けて見ると雪のような粉の中に、それらしきものが見えた。
公式サイトに記載されている食べ方では、霜ばしらが見えるまでらくがん粉を別の場所に移し、幅広い側(平らな面)を「指先で静かにつまんで引き出す」となっている。霜ばしらは軽く、少し力を加えると簡単に砕けてしまうのだ。
霜ばしらにはいくつもの線が入り、キラキラと光沢がある。横から見ると意外と厚みがあって食べごたえがありそうだ。
口に入れると、サクサクとした軽い食感でほんのりと甘みが広がる。少し舌にベタつく感じは飴に近い。他の編集部員にも食べてもらうと「綿菓子をギュッとつぶした味」「高級な感じがする」といった感想が聞かれた。
霜ばしらの最初の1枚はすぐに取り出せるが、2枚目以降は粉の下にある。ほじくり出そうとすると粉がこぼれてしまうため、らくがん粉は一旦出した方が取り出しやすいだろう。
らくがん粉をよけると、40枚ほどの霜ばしらがびっしりと敷き詰められている。こうして見ると本物の「霜柱」のようだ。
あまりにもきっちり詰まっているため最初は少し取りだしにくい。筆者がむりやり引き抜いたところ、指圧で破損してしまった。公式サイトによるとつまようじなどを使うと良いそうだ。
そして残った霜ばしらは、らくがん粉を戻して冷蔵庫などで保管する。少し面倒くさいが湿気を防ぐためだ。食べ終わった後のらくがん粉はフライパンに移し、色が付くまでかき混ぜ、砂糖と少量の食塩を加えると、お茶請けとして楽しめるという。
注文は電話やメールなどで受けているが、注文殺到のため今季の受付は終了とのこと。食べてみたい人は来季まで待ってほしい。