店名もメニューもすべてが「絵文字」 まるで暗号?謎すぎるラーメン屋が発見される
看板もメニューもすべて絵文字で書かれているラーメン屋があった――。そんなツイートが注目を集めている。
京都・祇園にあるラーメン屋で、食べログを見てみると店名は「Gion Duck Noodles」とされている。ただ、ツイッターやインスタグラムのアカウント名は、鴨とどんぶりに入った麺類の絵文字で、店の看板にもその2つの絵文字しか書かれていない。
何も知らなければラーメン屋だとわかる人はどれくらいいるのだろう。筆者ならお店であることにも気づけないかもしれない。
一体どんな店なのだろう。Jタウンネットは23日、店主を取材した。
説明されないと分からないメニュー
店主によると、正式な店名は絵文字の「鴨」と「ラーメン」を並べたもの。ただ、営業許可を取る際、絵文字で提出してみたところ受け付けてもらえなかったそうで、便宜的に「Gion Duck Noodles」というローマ字表記を用いているという。
店名が示す通り、提供しているのは鴨肉を用いたラーメンやつけ麺。メニューも、看板と同様日本語をはじめとする言葉による説明は一切なく、すべてが絵文字で表現されているそうだ。
例えばラーメンは店名と同じ絵文字の並び。つけ麺には「ベリーソース」と「みかんソース」の2種類があり、それを表すのが以下の絵文字列だ。
左側には鴨とサクランボ、右側には鴨と柑橘類の絵文字が並び、それらの下には、サイズを表すアルファベットと価格がこれも絵文字の形でプリントされている。店主によると、サクランボの方がベリーソース、柑橘類のほうがみかんソースの価格表だ。
ルールと仕組みが分かれば、シンプルで分かりやすいメニューかもしれないが...。初見では絶対にどれが何かわからないし、どんな商品が提供されるのか全く予想できない。なぜこのような形にしているのだろう。
「ラーメン屋さんって普通券売機とかあるじゃないですか。券売機で食券を買って、それを店員さんに渡すだけで、会話ってほとんど生まれないじゃないですか。
わたしたちは『おいしいラーメン』を提供するっていうより、『おいしいラーメンを食べる経験』を提供したいなと思っておりまして、お客さまとの会話が生まれるように、ああいったわかりづらいメニューにしました」
つまりこの絵文字だらけのメニューは、すべての客に店員が話しかけ、コミュニケーションをとることを前提にしているのだ。来店者にはまず「初めてですか?」と声をかけ、初来店の客にはすべてのメニューを説明するのだそう。
確かに、ラーメン屋では殺伐とした雰囲気の中で麺をすすることも多い。店に入ったら絵文字だらけのメニューが出てきて、店員が丁寧に説明してくれる......。こんなラーメン体験は他の店はできないだろう。