マスクある?問い合わせ殺到で「仕事にならない」 販売スタッフの苦悩描いた漫画に反響
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、マスクの品薄が続いている。
そんな中、ツイッターで注目を集めているのが、マスクを求める客からの問い合わせに苦労する販売店の様子を描いた漫画だ。
「気持ちはわかるがないものはない。」そう名付けられた漫画は、あるスーパーで働くスタッフが主人公だ。店にはひっきりなしにマスク関連の問い合わせ電話がかかってきており、そのせいで通常業務が滞ってしまっている。
「マスクって入荷してますか?」
「ちゃんと発注しとけよ!」
「いつの何時に来るか教えてくんない?」
そんなことを言われても、店のスタッフにはどうにもできない。作者の狸谷(@akatsuki405)さんは漫画とともに、
「担当は毎日発注していますがその通りに来ないのが実情です。その時間に荷物が来たとしても山の様に届く他の商品の中から探し出すのは状況によっては困難です。
スタッフに苛立ちをぶつけられても無いものは無いのです」
と投稿している。
Jタウンネットは2020年2月27日、マスクを取り扱う小売店のスタッフとして働く狸谷さんに詳しい話を聞いた。
1月後半から問い合わせが...
狸谷さんは接客あるあるを描いた漫画「チェッカー鳥海さん、レジまでお願いします」(宝島社)の作者。漫画は以前働いていたスーパーや、現在勤める小売店での体験をもとに描いている。
最近はマスク関連の電話対応や店頭での問い合わせが多く、通常業務を時間内に終えることが出来ないことが多いとのこと。そのストレスを可視化したのが今回の漫画だ。
いつごろからこのような状態が続いているのかを聞いてみると、
「1月の終わりくらいに、とあるお客様が出す前のマスクを段ボールごと爆買いされていったのがきっかけでした。その翌日から本社指示で(編注:購入の)数量制限がかかり、倉庫からの発注制限や在庫がなくなるなどでマスクが品薄に。報道なども相まって徐々に問い合わせが増えていきました」
とのこと。狸谷さんの職場はドラッグストアではないというのに、この有り様...。もう1か月ほど問い合わせが殺到する状態が続いているということで、現場スタッフの疲労やストレスは計り知れない。
「1時間に何度か鳴る電話は、半数以上がマスクの問い合わせです。店内で品出し中に声を掛けてこられるお客様も、ほとんどがマスクに関することです。マスク以外のお問い合わせは普通にあるので、本当に通常業務が滞っている状況です」(狸谷さん)
狸谷さんの投稿には、小売店のスタッフと思われるユーザーから共感の声が多く寄せられている。
「わかりすぎます。開店前から電話での問い合わせ、開店してからもマスクある?いつ入る?の質問にひたすら同じ言葉を毎日答えております」
「少しは自分で探す努力をしてほしいですし、何より入り口にマスクに関するPOPを貼ってあるのに、何故聞く!?と思ってます」
「入荷未定、本日は入ってないと何回答えればいいのか...そしてなぜか逆ギレされる...こっちがキレたいです!」
狸谷さんは投稿が話題になったことについて、
「多くの方に読んで頂き感謝致します。自分の店舗だけでは無いんだと本当に驚きました。一刻も早い事態の収束と、通常業務をきちんと行える日を願って!心身共にご自愛ください(泣)」
としている。