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もはや原型が残ってない... プロの職人がボロボロの包丁を砥ぎ直した結果がこちら

横田 絢

横田 絢

2020.02.22 08:00
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包丁砥ぎ師は「一生修行」

DANYさんは、大阪府堺市で工房を営む包丁砥ぎ師。堺市と言えば日本でも有数の刃物の産地であり、「堺打刃物」は大阪府の伝統的工芸品に指定されている。

堺市のウェブサイトによると、その特徴は切れ味の鋭さで、堺の包丁は世界中のプロの料理人に愛用されている。また、その製造工程も特徴的で、古くから分業制が確立しており、「鍛造」「刃付(研ぎ)」「柄付」それぞれを専門とする職人が存在するそうだ。

DANYさんが包丁砥ぎ師になったのは今から20年前。父親の跡を継いで職人になったという。

「時間を掛けてでも丁寧にやれば一通り砥げる様になるまではだいたい5年程度で、あとはそこから仕事として通用する早さで仕上げられる様になるか、更に精度を上げていくのが一生修業と言われています」(DANYさん)

写真左側の包丁のように、大きく刃が欠けてしまったものでも、3時間ほどで新品同様に復活させられるそう。まさに職人技だ。

DANYさんのツイートより
DANYさんのツイートより

ツイートによると、砥ぎ直しはDANYさんにとってメインの業務ではないが、工房で預かったり、伝統産業会館で砥ぎ直しの実演を行ったりしているようだ。

錆びたり欠けたりしてしまった包丁を砥ぎ直してもらいたいと思ったとき、どれくらいの状態なら、美しく甦らせることができるのか尋ねると、

「片刃の包丁の場合ですが、裏側の鋼が残っている、中子(編注・柄の部分に入っている刀身)があまり錆びていない状態であれば大体砥ぎ直せると思いますので、使う時には裏をあまり砥がないようにと、柄が割れたらすぐ交換するようにして欲しいです」

とのこと。素人目にはもう使えないかもしれない、という見た目になってしまっても、それまでの使い方次第で復活させられる場合もあるようだ。

台所で眠っている包丁があるならば、一度プロの目で見てもらうのもいいのかもしれない。

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