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現実を忘れ「何もない」をただ楽しむ 電波も電気もない「ランプの宿」が幻想的

笹木 萌

笹木 萌

2020.02.09 17:00
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電波も電気もテレビもない、あるのはランプと雄大な自然だけ――

おらこんな村いやだ~と吉幾三の歌に出てきそうなシチュエーション。そんな野性味あふれる温泉宿が注目を集めている。

しかしその姿は、みなさんの想像と少し違うかもしれない。まずはこちらを見ていただきたい。

灯っているのはランプだけ(画像は青荷温泉公式サイトより)
灯っているのはランプだけ(画像は青荷温泉公式サイトより)

暗闇の中に吊り下げられた、儚い光を放ついくつものランプ。薄暗いのはもっともだが、そんなことは気にならないほど美しい。幻想的な光景だ。

ここは「ランプの宿」として知られる老舗旅館・青荷温泉(青森県黒石市)。道後温泉にある温泉宿・大和屋別荘の若旦那が、2020年1月26日にツイッターでこの宿を紹介したところ、大きな反響を呼んでいる。

投稿には「『何も無い』ってことが、もはや現代の1番の贅沢なのかもね...」とある。たしかに、日常から離れ、静かに過ごす時間がどれだけ貴重かを感じさせてくれそうな空間だ。

「夜が暗くて長くてよかったです」

Jタウンネットは1月31日、青荷温泉の支配人を取材した。

青荷温泉は1929年(昭和4年)に開業。秘境とされる青荷渓谷の渓流沿いに本館と3棟の離れが散在する。4つの風呂があるのが特徴だ。

ランプは開業時から吊るしているとのこと。

「電気も何もない山の中でしたのでランプです」(青荷温泉・支配人)

と、きっかけは至ってシンプルだ。

現在は「今の時代、あえてランプを残したい」という思いからランプにこだわっているとのこと。食事をする大広間から、囲炉裏の間、玄関に至るまでランプづくしだ。

幻想的だ(画像は青荷温泉公式サイトより)
幻想的だ(画像は青荷温泉公式サイトより)

夕暮れの囲炉裏の間(画像は青荷温泉公式サイトより)
夕暮れの囲炉裏の間(画像は青荷温泉公式サイトより)

利用客は1年で1万2000人ほど。山の中にあるため、秋には紅葉も楽しめる。価格は1泊2食付きで大人1万2250円(税込)から。

ツイッターでは青荷温泉に対して、

「灯油の匂いの中携帯も圏外なので本を読むのが捗り久々にトランプで神経衰弱したり夜が暗くて長くてよかったです」
「人間関係に疲れたら青荷温泉に行って、何にも気にしないでずっと好きなことを話していたい」
「冬の間に行きたいお宿。照明が全部ランプで冬の雰囲気がもう...心が少し辛くなった時ここに行けば全部整いそう..」

といった声が寄せられている。

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