「二郎系カップ麺」史上最高の完成度! 日清「豚ラ王」はジロリアン必食の一杯
マニアと味わう「ご当地カップ麺」の世界
第二十二回 日清食品「日清豚ラ王 ヤサイ、アブラ、ニンニク」 文・写真:オサーン
カップ麺ブロガーのオサーンです。「ご当地カップ麺」を食べて紹介していく連載の第二十二回目となる今回は、日清食品の「日清豚ラ王 ヤサイ、アブラ、ニンニク」を紹介します。
ご当地カップ麺を謳った商品ではないですが、どう見ても「ラーメン二郎」に影響を受けた所謂「二郎インスパイア」な一杯なので、東京代表カップ麺ということでレビューしたいと思います。
なんと定価368円の超強気価格!
「ラーメン二郎」のお店の看板と同じ黄色地に黒文字のデンジャーカラーが特徴のパッケージ。奇抜ですね。アブラとニンニクがキケンということなのかもしれません。
そして「日清ラ王」シリーズの通常商品だと定価税別230円なのに対し、今回はなんと368円!超強気な価格設定です。山盛りの具でおなじみのあの「日清GooTa」シリーズですら300円ちょっとだったことを思うと、これはすでに価格でキケン。カップ麺で368円はなかなか手を出しにくいのではないかと思います。
商品名に「ヤサイ、アブラ、ニンニク」と入っており、「ラーメン二郎」と書かない代わりにお店の特徴を端的に表した言葉を並べています。価格といい商品名といい、奇抜で思い切っています。相当な自信作だと感じさせるものがありますが、果たしてどんな一杯なのでしょうか。
「アブラ増し袋」がキケンな雰囲気
カップには、太い麺とともに4つの袋が入っています。大きな乾燥チャーシューの袋や、キャベツや粒のニンニクがたっぷり入った袋が入っています。さすが定価368円なのでリッチだと言いたいところですが、これだけだと価格には見合っていないかなという印象。もっと安かった「日清GooTa」シリーズでも豪勢なレトルト具材が入っていましたからね。
4つの袋の中で、デンジャーカラーの「アブラ増し袋」が特異な存在。ずっしり重量感のある大きな袋で、この中にアブラがたっぷり入っているのかと思うと、これは間違いなくキケンです。
商品名の「ヤサイ、アブラ、ニンニク」はどれもしっかり入っていそうです。
突き刺さる強烈な生ニンニク
豚骨醤油味のスープにニンニクと背脂を加えた二郎インスパイアなスープです。豚骨も醤油もそれなりに強いですが、目立っているのは何と言っても強烈なニンニク!生ニンニクがガツンと効いています。
「液体スープ」にたっぷりニンニクが入っていて、ちょっと辛さすら感じられるレベル。恐ろしいほどキレのあるニンニクで、間違いなくカップ麺史上最高クラスのニンニクの量でしょう。すごすぎて舌に突き刺さってきます。
すごいと言っても結局カップ麺だからお店に比べるとたいしたことないんでしょ?と思われてしまうかもしれませんが、体感的にはお店の「ちょい増し」レベルくらいはあるのではないかと。
お店の刻み生ニンニクほど食後に口に残るわけではありませんが、カップ麺だと舐めてかかると痛い目にあいます。
「アブラ増し袋」に入った大量のアブラ
「アブラ増し袋」には、大量のアブラが入っています。あまりに真っ白でたくさん入っているため、これは生クリームか何かか?と一瞬思いましたが、よく見ると背脂の粒が視認できます。
これだけたくさん入っていると見た目のインパクトが強いですが、突き刺さってくるニンニクの威力が強すぎるため、アブラをニンニクに溶かしてしまうとあまり目立たなくなってしまいます。これだけたくさん背脂が入っているのに、それでも目立たなくなるなんてどれだけニンニクパワーすごいんだよ!って感じですよね。
アブラはスープに溶かし切らずに上にのせたまま麺と絡めて食べることで、背脂ならではの濃厚まったりな味を楽しめます。
「踊る極太麺」でお店の麺をしっかり再現
極太で縮れのついたノンフライ麺が使われています。日清ラ王史上最太の12番切刃で切った「踊る極太麺」との触れ込みで、確かに二郎さながらの太くて噛み応えのある麺となっています。12番切刃は喜多方ラーメンや沖縄そばで使われる太さだそうです。
お店の麺に比べると少し弾力が強いので多加水麺ぎみに感じましたが、それでも太麺ならではの重量感は二郎のイメージ通りで、太くてやや幅広な形状や縮れ具合はお店の麺をよく再現できていました。
たっぷりキャベツと大きなチャーシュー
具には、大判乾燥チャーシューとキャベツが入っています。大判チャーシューはレギュラー商品の「日清ラ王」シリーズにも入っていますが、今回はそれよりひとまわり大きいように見えました。さすがにお店のゴツいチャーシューを再現というわけにはいかないものの、カップ麺としては精一杯のレベルで頑張っています。
お店のラーメンの特徴であるキャベツもたっぷり入っています。キャベツの甘みが強烈なニンニクの箸休めとして機能しており、スープと相性抜群。ただ、お店ではもやしもたくさん入っているのに対し、今回の一杯ではまったく入っていないのはちょっと残念でした。
他には粒状のニンニクが入っていて、噛んだ時のサクサクした食感がお店の生ニンニク感を出しています。ニンニクの風味は液体スープの中に入っている生ニンニクがひとえに担っていますが、食感でも二郎を再現しようとする意図が窺えました。
定価368円でも二郎好きなら食べておきたい一杯
生ニンニクたっぷりのスープに大量のアブラ、そして具のキャベツやチャーシューにもボリュームがありました。ただ正直、定価368円に見合うほどのリッチさはなく、もっと安ければ良かったと思わなくもありません。
最近はコンビニのお弁当コーナーにも、500円程度で二郎インスパイアのレンジ麺が並んでいますが、今回の商品はそれらより安いにもかからず、二郎インスパイアとしての完成度は勝っています。カップ麺含め私が食べてきた二郎インスパイアの商品の中で、ここまで再現性の高いものには出会ったことがありません。
カップ麺としては高額ですが、二郎好きの方にはぜひともおすすめしたい一杯です。