少年時代の「妄想」を現実に―― 自室に作る「こびとの世界」で話題のミニチュア作家・MOZUを直撃
もしも、自分の部屋に小人が住んでいたら――。そんな妄想を再現した作品がツイッターで話題を呼んでいる。
まずは、下の動画をご覧いただきたい。
作者はコマ撮りアニメやジオラマ、トリックアートといった分野で活動するマルチアーティストのMozu(@rokubunnnoichi)さん(21)。「こびとの秘密基地」と題してツイッターで紹介したのが、動画の作品だ。
一見すると何の変哲もない壁。だが、ご覧のようにコンセントの中に小人サイズの部屋が。冷蔵庫や電子レンジのほか、机にはデスクトップパソコンが設置され、床にそのまま置かれた紙袋、カレンダーなどなど。本当にここで小人が住んでいるような生活感溢れる仕上がりは圧巻だ。
ツイッターでは、
「素敵すぎます クオリティー高すぎてビックリ」
「可愛すぎる!完全に生活してる感がたまらない 私もこのサイズになって堪能したい~」
「子供の頃絵本で見て頭の中で想像していた風景だ!!」
との声が上がり、注目を集めている。
Jタウンネットは作者のMozuさんに話を聞いた。
この中で生活できそうなリアリティを
「僕が小さいころに妄想していた『小さくなったら壁の中に秘密基地を作りたいなあ』というアイデアを作品にしました」
制作の経緯について、こう説明するMozuさん。過去にも「こびとの階段」や「こびとの旅館」という作品を発表しており、今回の作品は「こびとシリーズ」の第3弾となる。
Wi-Fiルーターが点滅していることや電子レンジの中のお皿といった細部にもこだわり抜き、本当にこの中で生活できそうなリアリティを追求したそう。Mozuさんが代表取締役を務める「MOZU STUDIOS」の公式YouTubeではメイキング映像も紹介されており、細かな作業に改めて感心してしまう。
こうしたミニチュアを作るようになったきっかけを、小学校5年生だった頃、友人からガンプラ(ガンダムシリーズのプラモデル)を勧められたことだと振り返るMozuさん。その後、ガンプラの背景を制作することにハマり、徐々に自分で作るようになったのだそうだ。
作品がSNS上で話題になることを受けて、
「僕が好きで作ったものをたくさんの方に見ていただき、好きと言ってもらえるのが嬉しいです。自分の好きなものをみなさんと共有できることがとても楽しいです」
とMozuさん。今後の抱負を聞くと、
「ミニチュア作品を使用したコマ撮りアニメーションを作る映画監督になることです」
と野望を明かした。
「西武渋谷モヴィーダ館」(東京都渋谷区)にて20年7月15日~8月13日の期間、初の大規模展覧会となる「MOZUアートワーク―ちいさなひみつのせかい―」を開催予定。気になる人はぜひそちらも足を運んでみてほしい。