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まるで遊園地のアトラクション? 世界観が独特すぎるケーブルカーが奈良に存在していた

松葉 純一

松葉 純一

2019.12.08 11:00
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車内BGMは「ねこふんじゃった」

ブル(宝山寺1号線)
ブル(宝山寺1号線)

近鉄生駒鋼索線(生駒ケーブル)を走っているのは、お茶目なミケだけではなかった。おとぼけ顔の「ブル(写真上)」もいる。ブルの名前の由来は、ブルドックとケーブルという、ブルつながりで命名されたらしい。また宝山寺駅と生駒山上駅間の山上線には、オルガン型ケーブル「ドレミ」、ケーキ型ケーブル「スイート」も走っている。

生駒鋼索線の路線距離は約2キロと短いが、宝山寺線の高低差は146メートル、山上線の高低差は322メートルもあり、「生駒山上遊園地」へと登って行く。生駒山上遊園地は、戦前から知られた遊園地で、飛行塔をはじめ、さまざまな遊具が揃っており、子供たちに人気がある。

Jタウンネット編集部の質問に、近鉄広報部の担当者が次のように答えてくれた。

――「生駒ケーブル」のミケとブル、ドレミ、スイートの運転開始はいつから? その狙いは?

「運行開始は2000年3月18日です。『乗り物』としての機能だけではなく、山上にある生駒山上遊園へのアクセス機能に、アトラクション的要素も加味した、『子供たちを中心に全ての人に夢与えられる楽しみに溢れたケーブル』をコンセプトに装飾を施しました」

――ミケとブル、ドレミ、スイート、それぞれの特徴(外観・内装・車内放送など)は?

「まず外観デザインは、宝山寺線1号線には1999年7月20日にオープンした『わんにゃんふれあいパーク(現在は閉園)』にちなんで、『車掌の帽子をかぶったブルドック』と『美しい生駒の風景を双眼鏡で覗いている三毛猫』をデザインとしました。

また山上線には、子どもたち楽しみにしている行事の音楽会と誕生会をモチーフに、『オルガン』と『バースデイケーキ』をデザインしました」

なるほど運行が開始された1999年当時は、「わんにゃんふれあいパーク」という施設があったようだ。ミケとブルはそれにちなんで企画されたようだ。

生駒鋼索線<宝山寺線ブル・ミケ>
生駒鋼索線<宝山寺線ブル・ミケ>

「内装は、座席配列は山麓の眺望が楽しめる向きを基本に、2-1列の固定式にしております。シートからは、ミケはオレンジとワインレッド、ブルはブルーとグリーン、ドレミはグリーン、スイートはオレンジを基調にし、さらに床面、壁面、天井面、とも各車両にマッチした色彩にしております。さらには間接照明を用いて車内の空間演出を施しています」

楽しさをとことん追求した、ミケとブル。パステル調のファンシーなデザインの、ドレミとスイート。内装にも、それぞれこだわりがあるという。

「音響演出は、車両ごとに外観デザインに相応しいBGMを車内で流すとともに駅に到着する際などには車外にも演出音響を流して、ホームでお持ちのお客様にも楽しんでいただけるようにしました」

車内アナウンスは、ブルが男性の声、ミケが女性の声だという。内容はケーブルカー車両・生駒山上遊園地の紹介や生駒ケーブルの大まかな歴史など、BGMはブルが「ピクニック」、ミケが「ねこふんじゃった」だ。

ただし、通勤通学時間帯や早朝夜間時間帯は通常のアナウンスとなり、BGM・鳴き声は鳴らさない。また冬季は時間帯に関係なく通常のアナウンスとなるようだ。

生駒鋼索線・山上線・ドレミ・スイート
生駒鋼索線・山上線・ドレミ・スイート

――「生駒ケーブル」がSNS で話題になっていることについて、コメントをいただけますか?

「昨年の2018年8月29日に開業100周年を迎えました。今後もSNSを通じてたくさんの方に生駒ケーブルを知っていただき、ご利用いただきたいと思います」

ちなみにツイッターには、次のような声が寄せられている。

「私も乗りました ずっとワンワンニャンニャン言ってますよね」
「はい!!私も行ってきました!!すごかった!!」
「のりたいーー!!」

ニャンちゃん好き、ワンちゃん好きには、気になる生駒ケーブルだ。

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