どっちがナポリでどっちが鹿児島? そっくりすぎて姉妹都市になった両市の景色がこちら
「ナポリに行きたい?だったら鹿児島来い、景色に大差ないから」
これはツイッターユーザーのはむ!(@hamuh4mu)さんが、2019年12月2日に投稿したツイートだ。ナポリといえば、南イタリアの最大の港湾都市。ナポリ民謡にも歌われるベスビオ山や、「ナポリを見てから死ね」ということわざがあるほど風光明媚な景観で知られる。
いったいどこに鹿児島の要素があるのだろうか。
ナポリと鹿児島、両者の風景がこちらだ。
見比べると、確かに似ている。ベスビオ山と桜島、立ち並ぶ建物、その間に臨める海――たしかに「大差ない」と言っても過言ではない。どっちがどっちの都市か聞かれて間違える人もいるのではないだろうか。
はむ!さんの投稿に対し、ツイッターでは、
「どっちがナポリでどっちが鹿児島だ?(困惑)」
「鹿児島産まれなのでビックリ笑 ナポリと似てたんですね笑」
「鹿児島は東洋のナポリですからね!」
といった声が寄せられている。そのうち「鹿児島を見てから死ね」ということわざができてもおかしくないだろう。
特に鹿児島市は、景観以外にもナポリとの深いつながりがある。Jタウンネットは12月3日、投稿者のはむ!さんに詳しい話を聞いた。
1955年頃からナポリ・鹿児島市民が交流
鹿児島市とナポリは姉妹都市。千葉大学のサイクリング部に所属するはむ!さんは鹿児島市出身で、小学校の頃に2つの都市の関係性を学んだという。
この2都市が似ていると思う点について、以下のように話している。
「横幅の広い成層火山が海をはさんで眼前に広がっているところですね。
鹿児島の人は桜島の形と位置でおおよその方角が把握できるのですが、これはイタリアでも同じみたいです」
鹿児島市の公式サイトによれば、この2都市が姉妹都市盟約を結んだのは1960年5月3日。姉妹都市となった経緯についてはこのように記載されている。
「ナポリ湾を望むナポリ市と桜島を望む鹿児島市とは、風景がとても似ていることから、鹿児島市は古くから『東洋のナポリ』と呼ばれていました。1955年頃から両市民の間で交流が始められ、姉妹都市盟約の気運が高まり姉妹都市盟約が結ばれました」
遠く離れた地であるにもかかわらず、60年以上も前からこの2都市の交流は続いていた。景観は昔から似ているとはいえ、街が発展していく中でどんどん変わっていっただろうに...。令和になった今でも「似ている」と言わしめるとは、切っても切れない縁がこの両者の間にはあるのだろう。
ちなみに鹿児島市のサイトによれば、ナポリの人口は95万人、面積は117.23平方キロメートル、鹿児島市は人口60万人、面積547.6平方キロメートル(国土地理院公式サイトより)となっている。
市内には鹿児島中央駅から続く「ナポリ通り」と呼ばれる大きな通りもあるほど。ナポリに行ってみたいが何らかの事情で行けない...という人は、鹿児島からナポリに思いを馳せるのも良いだろう。