パチンコ店からタバコの煙が消える日 迫る「禁煙化」で何が変わるのか、大手ホール2社に聞いた
「完全分煙」のメリットは?
とはいえ、喫煙者からするとタバコを席で吸えなくなってしまうのは正直ちょっと寂しい。そこで法施行に対するメリットについて、詳しく挙げてもらった。
マルハン担当者は、6つのメリットを挙げた。
(1)顧客、従業員の受動喫煙のリスクが低下する (2)環境志向が高い方、非喫煙者である顧客が増える (3)店内環境が向上することで、従業員採用にも良い効果がある (4)清掃作業の負担軽減、工数削減により従業員負担が軽減される (5)換気回数が減る事により、空調設備の効率が上がる (6)天井や壁紙が汚れにくくなり、内装修繕コストが下がる
またダイナム担当者は、
「これまで、たばこの煙や臭いを主な理由としてパチンコを敬遠したり、リタイアされた方々に改めてレジャーとしてのパチンコをアピールできる機会だと捉えております。 安価で遊べるレート設定(1円パチンコ等の低貸玉)や、少額投資でもゆっくり楽しめる遊技機の開発などを含め、新規顧客の獲得に向けて総合的に積極的に取り組んでいきたいと考えております。 また、同時にホールで働く従業員にとっても大きなメリットがあり、弊社では従業員が休憩時に利用するバックスペースにおいても客室と同様の法的基準を満たした喫煙室を設置しております。 ホール内が完全分煙化されることで、より幅広く優秀な人材の確保につながっていくものと考えております」
両社ともに、やはり屋内禁煙化をポジティブに受け止めていることが伺える。少し深読みしすぎかもしれないが、今回の法改正をパチスロのイメージを変える機会にしようとしている――そんな風に見ることもできそうだ。
もちろん、最初に話を聞いたおばあさんのように、今まで当たり前だった光景が変わってしまうことに寂しさを感じる人もいるだろうが、きっとすぐに慣れるはず。
冷静になって考えれば、客にとってはより健康的にパチスロを楽しめる上、ホールにとっても上述のようなメリットがあるわけだ。いわゆるWIN-WINである。
パチンコ店からタバコの火が消えた時、その熱気はどうなるのだろうか。