パチンコ店からタバコの煙が消える日 迫る「禁煙化」で何が変わるのか、大手ホール2社に聞いた
ホール側の受け止めは...
まず、客側の反応をパチンコ好きな人間に聞いてみよう。試しに、筆者の友人に屋内禁煙の事実を告げると、
「本当に辛い」 「吸いながら打つ。これが最高なのよ」
との悲鳴が。かくいう筆者もパチンコ好きの喫煙者だ。休日は、マイホ(常連のパチンコ店)に足しげく通い、台の前で一服している。
「ホールで吸えなくなるの?私はね、自分の台が『当たる!』っていう波が来る瞬間に、タバコに火をつけるのよ。そうすると当たりやすくなるのよ。残念ねぇ...」
と話すのは、たびたび席が隣になる、顔なじみのおばあさんである。
ジンクス好きな彼女は悲しそうな顔をしたまま「ところで一本くれない?」と一言。屋内禁煙となったら、このやり取りさえもなくなってしまうのだろうか...。
そこで、Jタウンネットは、2019年10月31日にマルハン、ダイナムのパチンコホール大手2社に、次のような質問を送った。
(1)改正健康増進法に対する受け止め (2)同法に対する今後の対応
まず、マルハン広報課の担当者は、
「マルハンでは『居心地の良いホール空間の創造』をテーマに、『地球環境』『店内環境』『労働環境』のいずれにもより良い影響を与えられる活動に積極的に取り組んでおります。 『店内環境』としては、ホール内の空気・空調環境について、以前よりさまざまな対策を行ってきました。全席禁煙店舗(喫煙室を別途設置)、仕切りによる分煙店舗、加熱式タバコのみ喫煙可能な店舗などをトライアルしており、また近年の新店舗ではあらかじめ分煙化に対応できる仕様で建設しております。 これらの経験を活かし、愛煙家の方、非喫煙者の方、双方にとって快適な遊技空間を提供できるよう努めてまいります」
と話す。続いてダイナムの広報担当は、
「弊社では、従前より完全分煙型ホール『ダイナム信頼の森』を全国に展開するなど、受動喫煙防止対策に積極的に取り組んでまいりました。 19年10月末現在、前述の『ダイナム信頼の森』を含めて、31店舗の完全分煙ホールを運営しており、同法の全面施行によって全てのパチンコ店が等しく禁煙化(分煙化)に向けてシフトすることを非常にポジティブに捉えております」
といった回答があった。
両社ともに、今回の法改正ではホール内は全面禁煙として、屋内もしくは屋外に専用の喫煙ブースを設置することで対応するという。まだ整備中の店舗もあるそうだが、筆者の自宅近くにあるダイナム店舗はすでに全席禁煙で、ホール内からタバコの匂いは消えていた。