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自作「鳩サブレー」焼き続けた10年間 その執念はどこから?「完全再現」めざす猛者に聞いた

笹木 萌

笹木 萌

2019.09.29 11:00
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鎌倉銘菓として知られる、豊島屋の「鳩サブレー」。かわいらしい鳩型が特徴で、素朴なバターの味が懐かしさを感じさせる、幅広い世代に人気のお菓子だ。

そんな鳩サブレーの作り方を独自に研究し、10年にもわたって再現しようと奮闘を続ける猛者のブログがある。

左は第84弾、右は第1弾の手作り鳩サブレー(画像はわくわくさんのブログより)
左は第84弾、右は第1弾の手作り鳩サブレー(画像はわくわくさんのブログより)

ブログ名は「わくわく何でもチャレンジ♪」、作成者は「わくわく」さんと名乗っている。

最初の挑戦は2008年6月で、それから80回以上も鳩サブレーの再現を行っている。18年12月投稿の第84弾を見ると、焼き加減から形までかなり本物に近い状態だ。

しかし残念なことに、「わくわく何でもチャレンジ♪」が掲載されているYahoo!ブログは、19年9月1日をもって記事の投稿・編集機能を終了。12月15日にサービスを完全終了し、それをもって記事の閲覧もできなくなる予定だ。

鳩サブレーも完成形に近づいてきたことだし、わくわく何でもチャレンジ♪も10年の歴史に幕を閉じるだろう――誰もがそう思っていたが、なんとブログはYouTubeに移行。「わくわく何でもチャレンジ」というチャンネルを開設し、わくわくさんが第1弾からブログを読みながら当時を振り返るという独特な雰囲気の動画を投稿している。

尋常ではない鳩サブレーへの執念。わくわくさんはなぜこんなに鳩サブレーにこだわるのだろうか...。

そんな疑問を解決すべく、2019年9月25日、Jタウンネットはわくわくさんを取材した。

最初は魚焼きグリルで焼いていた

わくわくさんは動画内で過去を振り返り、お菓子作り自体が初心者だったと話している。実際、初期のころはオーブンがないため魚焼きグリルでサブレーを焼いたり、鳩の型は針金で作ったりと、家にあるもので頑張っている感じが伝わってくる。

そもそもなぜ鳩サブレーを作ろうと思ったのか。わくわくさんはその理由を、

「材料表記を見てシンプルなので簡単に作れると勘違いしてしまったため、自分で作ろうと思ってしまいました」

と話す。

鳩サブレーの原材料は小麦粉、砂糖、バター、鶏卵、膨脹剤と、たしかにシンプルだ。しかしだからといって簡単に作れるわけではなく、配合が分からない上にお菓子作り初心者となれば、完成まではかなり険しい道のり。わくわくさんは材料や配合などを変えながら試作を重ね、本物に近づけていった。

第1弾の製造過程
第1弾の製造過程

第84弾の製造過程
第84弾の製造過程

わくわくさんによれば作る過程で一番難しかったのは「焼き加減」とのこと。これが違うだけで味が全然変わってしまうといい、形や厚みといった見た目だけでなく、食感や味にもこだわったことが伺える。

10年にわたる研究の甲斐あってか、わくわくさんは第84弾の鳩サブレーに対して「96点」と高評価。保存性の問題と、食感の改善の余地を考えた結果だといい、目指すレベルがもはや職人だ。

鳩サブレーづくりの魅力を聞いた

ブログは不定期に更新。無理せず気が向いた時に作るというスタンスが、10年も続けることができた要因の一つだという。

現在はブログの内容をYouTubeに残していく作業を行っているわけだが、わくわくさんはその理由について、

「自分のPCにコピペだけして終了でも良かったのですが、私の記事を参考に鳩サブレーを作ろうとしてくださる方も少なからずいらっしゃいます。1人でもそういう方がいらっしゃる以上は公開できる場に残そうかと思いました。

他ブログへの移行も考えましたが、ブログというコンテンツそのものが下火になってきているためyoutubeの方が良いかな?と思ってyoutubeにしました」

と話している。当時の様子を思い出しながら語るわくわくさんは心なしか楽しそうで、初めて動画を見たはずの筆者でも何だか懐かしい気持ちになってくる。

最後に、鳩サブレー作りの魅力を聞くと、

「材料はシンプルなのに美味しい、シンプルが故に作るのが難しい。そんなところが魅力だと思います」

とのこと。

今後さらなる鳩サブレーを作るかは決めていないというが、85弾以降をやるとしたらyoutubeでアップしていくという。

本物さながらの鳩サブレー(第84弾)
本物さながらの鳩サブレー(第84弾)

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