インターネットに接続できる公衆電話が現存していた まだ利用者はいる?NTTに聞いた
携帯電話が普及し、今では使用することも少なくなった公衆電話。緑色の機種をよく見かけるイメージだが、中には「グレー」のものもある。
このグレーの公衆電話、緑色と同じく電話を掛けることができるが、もう一つ特別な機能が付いていることをご存じだろうか。
それはアナログ端末・デジタル端末をつなぐことで、データ通信が可能ということだ。例えば、パソコンをつなげばインターネットを使うことができる。
ツイッターユーザーのマニ山(@maniaxch)さんは、このグレーの公衆電話を撮影、「JR京都駅の2・3番ホームに化石的な物件がある」と投稿した。ほかのユーザーからは、
「なんか......10年ぶりくらいに見た感じです」
「結構使ってんのに知らんかったな」
「あ、うちコレに挿せる機材あります。複数」
といった声が寄せられ、今ではあまり使用されていないことが伺える。
現在も各所に設置されているようだが、フリーWi-Fiも充実しているこのご時世に、この機能を使う人はいるのだろうか。
Jタウンネットは2019年9月27日、NTT西日本の広報担当者に話を聞いた。
使っている人は...「います」
このようなISDN回線を使った「ディジタル公衆電話」(デジタルではなく、あくまでディジタル)が誕生したのは、1990年のこと。電話機にプラグの差込口があり、ワープロやパソコンなどとつないでデータ通信ができるようになっている。
写真の公衆電話は96年に誕生したもので、大きなディスプレイがついているのが特徴。サイズも小型化している。
今でもデータ通信の機能を使っている人はいるのだろうか。広報担当者に聞いてみると、あまり見かけはしないが「います」とのこと。しかし、
「コードの接続の規格が古いものなので、最近の端末だと直接使いにくい物かなあという印象ですね」
という。ISDNに対応した規格の端末自体が少なくなっているようだ。
現在設置されている台数は分からないとのことだが、緑色の電話機を含めて減少傾向にあるという。用途としては緑色と同じく通話に使用されることが多いようだ。
日常的に使用されることは少なくなったが、災害時には有効な通信手段として注目される公衆電話。懐かしい存在になりつつも、必要とされる場面はまだまだありそうだ。