20歳未満は絶対に食べてはいけない「綿菓子」があった
「奈良は清酒発祥の地ですから......」

電話で答えてくれたのは、「pamba.pipi」のオーナー、小林聡(さとる)さんだ。
「私は、本職は美容師で、美容室を経営しているのですが、お客様の待合室に置いてある雑誌の中で、ある綿菓子専門店が紹介されているのを読んで、綿菓子店をやりたいと思い立ったのです。店名の『pamba.pipi』はスワヒリ語で綿菓子という意味らしいです」
思い立ったのが4月で、開店が7月というから、かなりのスピードだ。
「奈良は清酒発祥の地と言われてますし、子どもだけでなく、大人にも食べてもらいたいと思い、お酒入りの綿菓子を作ってみました。また観光客の土産話にもしてもらえるかな、という期待もありました。結局、観光客だけでなく、地元の皆様にも受け入れていただき、リピーターも増えてきました」

梅酒、ラム酒、清酒といった、お酒入りの綿菓子が好評で、自信をつけた小林さんは、新たなチャレンジを試みた。それが「カクテル綿菓子」だ。名前の通り、さまざまなカクテルを綿菓子で再現するという。
もちろんアルコール入りなので、20歳未満はNG。そのほか、運転中の人にもご遠慮いただいているという。また「カクテル綿菓子」の楽しみ方について小林さんは、店のフェイスブックで次のように述べている。
「開封して一口食べていただいたら、一度封をします。そして逆さにしてから、食べてみて下さい。パウダーがサラサラ~と下に落ちてしまいやすいので、逆さにしながら食べ進めていくとアルコール感がより楽しめますよ。ただし、シャカシャカーと振ってしまうと綿が縮みますのでご用心」

今後の抱負を聞いてみると、小林さんは「カクテルの種類はもっと増やしたいし、もっといろいろなことを試してみたいですね」と、答えてくれた。冷たい飲み物に綿菓子をトッピングした「綿菓子ドリンク」や、ジップロック付きのパッケージに入れ、保存性を高めた「パッケージ綿菓子」など、さまざまなことに挑戦中のようだった。
美容師兼業のオーナーにはまたお聞きする機会もあるかもしれない。

お店の人気ベスト3を聞くと、「いちご、ラズベリー、ゆず」とのこと。お酒入りではなかった。「20歳未満の方、お子様が多いからですね」と、小林さんは笑って答えた。近鉄奈良駅近く、餅飯殿町にある本店のほかに、東向き商店街近くに昨年7月オープンした2号店がある。どちらも外国人観光客でにぎわっているという。
