なんて巧妙なんだ... ただ眺めているだけで「だんご」が買いたくなってしまうPOPが話題
コンビニなどで見かける3本セットの串団子シリーズ。安くて腹持ちも良く、お金のない学生にとっては強い味方だ。
そんな串団子が、ある大学の生協でものすごい売り方をされている。
「だんごだんごだんごだんご...」
呪詛のように書かれた無数の「だんご」の文字。1個だけだんごではない単語が混ざっているという間違い探し形式になっている。生協職員の「何としてでもだんごを売りたい」という熱い思いが痛いほど伝わってくる。
この投稿は2019年7月18日に投稿されてから、25日正午時点で5万件超のリツイートを獲得。
「なんて巧妙な仕掛けなんだ...」
「だんごのゲシュタルト崩壊」
「これは一体何商法と呼べば...(笑)」
と話題となっている。
なぜこのようなPOPになったのか、作成した職員に話を聞いた。
あのギャグ漫画が「元ネタ」?
POPが掲示されていたのは同志社生協が運営する京田辺ショップ。作成した生協職員によれば、これはだんご100円セールの際に作ったもの。
セールは7月15日から始まっていたが、だんごの担当者から売れゆきが良くないとの相談を受け、17日にこのPOPを設置した。
なお、先ほどの「だんご」だらけのPOPのすぐ下には、次のような掲示物が。かなりの策士だ。
手に取ってもらうにはどうしたらいいか... そう考えた職員の頭に浮かんだのは、相手の潜在意識に働きかけることで現れる「サブリミナル効果」。最初は、だんごの絵をたくさん並べて購買意欲をそそろうとしていたようだ。
しかし、そのとき担当者の頭に浮かんだのは、空知英秋さんの漫画「銀魂」のワンシーンだった。
「たんごがヤマザキのだんごだったんですけど。『銀魂』に山崎っていうキャラがいて、紙に『あんぱんあんぱんあんぱん...』って書いているのがパッと出てきてしまって...。空知先生の洗脳みたいなのに勝てず(笑)」
山崎というキャラクターが紙に「あんぱんあんぱんあんぱん...」と書きまくるくだりは、「銀魂」ファンの間ではよく知られた有名なエピソードだという。実際、今回のPOPを見て同作を思い出したファンもいたようだ。
完全に一致 pic.twitter.com/sZsDJhIeg1
— 雨夜月 (@now__here_man) 2019年7月21日
銀魂ですよ pic.twitter.com/03f0kzs7Hg
— 錯乱坊新井さん@しぶりんYP (@doragonic_arai) 2019年7月20日
なおPOPの冒頭部分には、「見つかられたらしたのPOPを見てね!」の一文もある。ツイッターでは「見つかられたら」と「みたらし」を絡めたのではという声も寄せられているが、こちらはただの打ち間違いだそうだ。
POPの効果は?
肝心の売り上げだが、どうなったのだろうか。
「セールが始まってから通常よりも売れていたんですが、POPを出した次の日は2倍くらいに跳ね上がりました」
大成功だ。POPはレジ前に設置していたが、中には買おうとしていた商品を戻してまで、だんごを買ってくれた学生もいたという。写真を提供してくれた投稿主も、だんごを購入してしまった一人。
「『だんごだんごだんごだんごだんごだんご』と頭で繰り返すうちに気づいたらみたらし団子をひとつ買っていた。
(それはおかしい、こんな罠にかかる訳が無い)
そう思って再びPOPを凝視、気づいたらあんこ団子を買っていた。そうこうしているうちに合計4つ買ってしまい『悔しい』が溢れかえってきました」
と、4パックも買ってしまったことを明かした。
セールは8月4日までの予定で、現在は第2弾を掲示しているという。