寺社仏閣でも違和感ゼロ! 京都の景観守る「和風カラーコーン」に注目
道路や工事現場などに置かれているカラーコーン。立ち入りや駐輪を禁止するために置かれ、遠くからでもよく目立つ鮮やかな色をしている。
しかし、コーンがあるだけで周囲の景観が損なわれてしまうことは否めない。神社仏閣や和風建築の近くであったらなおさらだろう。だが、そんな心配を解消したコーンが京都・祇園で発見され、注目を集めている。
祇園のカラーコーンの隠し方が私は好きで。カラーコーンなんてあったら確実にvisual pollutionになるのに、これだと逆にあった方がアクセントになってかわいいかも?と思えるくらいの見た目。そこまで持っていけるのすごい。 pic.twitter.com/uHXX41bibX
— 大河内 愛加 Aika Okochi (@aikanium) 2019年6月30日
話題のきっかけとなったのはツイッターユーザーの大河内愛加(@aikanium)さんのこちらのツイート。祇園の花見小路で見かけたというコーンには竹製のカバーとバーが装着され、祇園の景観に見事にマッチしている。
ツイッターでも注目を集めているこれは、その名もずばり「和コーン」。Jタウンネットは2019年7月1日、和コーンを製造・販売している山分物産(京都市)に話を聞いた。
無粋なプラスチックコーンに違和感を抱いて
1919年(大正8年)に創業し、今年で創業100年を迎える山分物産。
和コーン開発の経緯について担当者は、生粋の京都人である同社会長の抱いた違和感とベトナム出張の際に見かけたオブジェが商品誕生のきっかけだったと説明する。
「弊社会長は生粋の京都人ですが、景観保護地区にありながらあちこちに無粋なプラスチックコーンが無造作に置かれていることに大いなる違和感を抱いておりました。一方、弊会長がベトナムへ出張の際にたまたま竹で細工された円錐型のオブジェを見た時に、現在の『和コーン』がインスパイアされたのが商品誕生のきっかけです」
17年4月から販売されている和コーン。景観に溶け込むデザインは反響を呼び、現在京都では二条城、嵐山、祇園花見小路などのほか洋風レストラン等外国人観光客が多く利用する場所にも置かれているという。
上の写真は神社や旅館に設置された際の写真。もしよく見られる赤いカラーコーンがそのままの状態で設置されていたら、たしかにかなりの違和感がありそうだ。
今回ツイッター上で突如注目を集めた和コーン。話題になったことを受けて担当者は「ツイッター、フェイスブック、インスタグラム等での情報伝播には大いに期待しているところです」として、今後の展望について、
「2020年東京オリンピック、2025年大阪万博と海外からのインバウンドが右肩上がりの増えて行くことを受け、おもてなしの一環で和を演出するニーズが高まることを期待しています」
と京都に限らず全国規模での活用に期待をのぞかせた。