イチゴ好きなら見逃せない! 福岡の「あまおうわらび餅」が悶絶級のおいしさ
昼間から刺激が強すぎる
博多阪急にある伊都きんぐの店舗で購入してもらったのは、博多あまび(ミニ)だ。ツイッターで話題になっていたのもコレで、自分でカットして食べるタイプ。通常サイズの博多あまびはすでにカットされている。
日持ちはあまりしないようで、6月30日に購入してもらったが賞味期限は編集部に持ち込んだ7月1日。最良の状態で食べたいので、急いで食べた。
封を開けると小さな冊子が封入されていた。博多あまびの食べ方と商品への熱すぎる思いが綴られている。それによると、
「切ない味を、感じられるようにしよう!」
というのが博多あまびの誕生につながっている。
なんともロマンチックな表現だ。食べる前から情熱がおぜん立てしてくれている。
自分で切るのも楽しみのひとつではあるが、少々切りにくい。故・高倉健さんをリスペクトし過ぎて生き方どころか手先も不器用な筆者は写真の形が精一杯だった。
練乳ときな粉も付属しているが、先ずは説明書にもあるそのままの状態から食べる。何でもそのままで食べるのが「一番大切な瞬間」だという。
その気持ちを反故にするのはいけない。いちごの甘みを想像しながら口に入れる――入れた瞬間に口の中でいちごの酸味と甘みが弾けて、七色にきらめいた。
快楽の波が押し寄せて、飲み込まれてしまいそうなほどの美味。これが仕事でなければ、情けない声が出ているところだった。
次は練乳をかけていただく。これが2番目の食べ方だ。本来なら全体にかけるようだが、どうしても最後にそのままで食べたかったので、1個ずつ垂らした。
こちらはまろやかな練乳の甘みが加わるのだが、最早いじめに近い。どこまで仕事中の硬派な態度を崩してくるのだ。食べる者のハートをいたずらに刺激して、その気にさせても口の中で弾けてもういない。
じらすだけじらしていなくなる、デンジャーで色気のある甘みに変化した博多あまびにどうしようもなかった。
最後は練乳を付けた状態からきなこを付ける。これも卑怯な味で筆者をもてあそぶのだ。
きな粉の儚い甘みがいちごの中ではじけ飛ぶ。口の中で起こるショートストーリーに感動してしまう。
たかがわらび餅とあなどると感情の動きに疲れてしまう。ただ、食べ終わった後の充足感は忘れられず、次を求めてしまう。
手に入れるためにはそれなりの苦労が必要だが、それが惜しくない品だった。