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「富山ブラック」カップ麺、オススメはどれ? マニアがガチで食べ比べた結果は...

オサーン

オサーン

2019.05.04 12:00
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マニアと味わう「ご当地カップ麺」の世界
第三回 「富山ブラック」ノンフライカップ麺食べ比べ 文・写真:オサーン

カップ麺ブロガーのオサーンです。「ご当地カップ麺」をテーマにカップ麺をレビューする連載の第三回目。今回は、富山のご当地ラーメン「富山ブラック」を再現したノンフライカップ麺3商品を食べ比べしていきます。

左から「凄麺」、「全国麺めぐり」、「麺家いろは」
左から「凄麺」、「全国麺めぐり」、「麺家いろは」

三者三様の「富山ブラック」

「富山ブラック」は、濃い醤油味と強い黒胡椒が特徴のご当地ラーメンです。濃い醤油で真っ黒に染まるスープは塩辛いとすら評されますが、おかずになるラーメンとして誕生した経緯があり、ごはん片手に食べるには好相性。食べ進めていくうちに体がカッカしてくる黒胡椒の辛味は、唐辛子や花椒とはまた違う魅力があります。

「富山ブラック」は、富山市のラーメン店「大喜」が起源とされ、富山市を中心に提供されていますが、最近では「麺家いろは」など県外に出店するお店もあり、またインスタント商品としても多く出回るようになったため、年々その知名度は高まっています。

今回食べ比べする3商品

食べ比べするのは、以下の3つのカップ麺です。

・寿がきや食品 「全国麺めぐり 富山ブラックラーメン」
・ヤマダイ 「凄麺 富山ブラック」
・サンヨー食品 「サッポロ一番 麺家いろは 富山ブラック」

いずれの商品も、2019年4月時点で入手可能な「富山ブラック」のノンフライカップ麺です。3商品とも「富山ブラック」を再現したカップ麺なので、濃い醤油味や強い黒胡椒という共通点がありますが、その中で各商品にどのような特徴があるのか見ていきたいと思います。

「全国麺めぐり」...強烈な黒胡椒!

まずは「全国麺めぐり 富山ブラックラーメン」から。「全国麺めぐり」シリーズは、全国の様々なご当地ラーメンを再現している、寿がきや食品のノンフライカップ麺シリーズです。マイナーなご当地ラーメンを突いてくる傾向があって面白いシリーズです。

寿がきや食品「全国麺めぐり 富山ブラックラーメン」
寿がきや食品「全国麺めぐり 富山ブラックラーメン」

鶏ガラベースの濃い醤油味のスープに、大量の黒胡椒が入っています。「富山ブラック」の特徴通りの真っ黒なスープですが、特に黒胡椒の強さが際立ちます。食べ進めていくうちにどんどん体が熱くなってきて、まるで酔っ払ったかのような錯覚に。今回の3品の中で、胡椒の辛味に最も重点が置かれている印象でした。醤油の香りも強くてキレがあり、「富山ブラック」のイメージ通りの激しいスープです。

「富山ブラック」は、濃いスープとバランスを取るために太めの麺が使用されることが多いようですが、この商品で使われている麺は細め。細いので麺の主張は強くなく、胡椒の辛味が強調される組み合わせだと感じました。

「凄麺」...丸みのある醤油と背脂の甘み

「凄麺」は、「ゆでたての旨さ、再現!」をキャッチフレーズに、本格的な麺を追求した、ヤマダイのノンフライカップ麺シリーズです。「凄麺 ご当地シリーズ」では、全国津々浦々のご当地ラーメン計19種類がラインナップされていて、メジャーなご当地ラーメンは概ね網羅されています。

ヤマダイ「凄麺 富山ブラック」
ヤマダイ「凄麺 富山ブラック」

鶏ガラベースの醤油味のスープに黒胡椒を効かせています。丸大豆醤油を使用し、真っ黒で濃い割には塩気の刺さらない、丸みのあるスープになっています。また、背脂を浮かせて後味に甘みが感じられるのも大きな特徴です。胡椒の強さは「全国麺めぐり」に比べると控えめで、辛味よりも醤油味が強調されている印象でした。

麺は、「凄麺」ならではの多加水ノンフライ麺が使用されており、コシの強さ、弾力は3品の中で最も強くなっています。食感に主張のある麺で、濃いスープと相性がとても良く感じられました。

「サッポロ一番 麺家いろは」...鶏と魚介が強い

「サッポロ一番 麺家いろは 富山ブラック」は、富山市を中心に国内外に店舗展開する「麺家いろは」の味を再現したサンヨー食品のカップ麺です。「全国麺めぐり」や「凄麺」のように、シリーズ化された商品ではありませんが、サンヨー食品はラーメン店の味を再現したカップ麺を多く発売しており、その再現性の高さには定評があります。

サンヨー食品「サッポロ一番 麺家いろは 富山ブラック」
サンヨー食品「サッポロ一番 麺家いろは 富山ブラック」

黒胡椒を効かせた真っ黒な醤油味のスープは他の2つと共通した特徴ですが、ベースの鶏ガラとスープ表面に浮いた鶏油によって、鶏の味が強く前に出てきています。鶏ガラの強さは3品の中で群を抜いています。鶏に加えて魚介だしも強く、鶏と魚介の奏でるハーモニーは、醤油や黒胡椒といった「富山ブラック」の特徴とは違う部分で個性を感じました。

麺は、今回の3品の中で最も太く、黄色味の強いものになっています。もちもちした食感で、濃いスープとの相性は抜群。また、焼のりが2枚入っていることも、他の2つにはない特徴でした。焼のりは醤油味のスープによくあいます。

同じ「富山ブラック」でもメーカーごとに特徴が異なる

「富山ブラック」のノンフライカップ麺3品を比較してきましたが、黒胡椒を効かせた濃い醤油味という共通項がある一方で、3品それぞれに異なった特徴が見られました。

「全国麺めぐり」は胡椒を強く効かせた辛味の強さで、「富山ブラック」らしいガンガンいこうぜな味。「凄麺」は醤油にクローズアップし、丸みのある醤油味と背脂の甘みが特徴。「麺家いろは」は鶏と魚介の強さが光り、辛いものが苦手な人でも手を出しやすい味になっていました。

「富山ブラック」に限らず、同じご当地ラーメンを再現した商品でも、お店によって味が異なるのと同様、カップ麺でもメーカーによって味付けに大きな違いがあります。いろいろ比較してみると面白いのではないでしょうか。1つ食べて見限らずに、お気に入りの味をお探しいただければと思います。

筆者:オサーン

カップ麺ブロガー。十数年前に出会った「日清麺職人」のおいしさに感激したことがきっかけでブログを開設。「カップ麺をひたすら食いまくるブログ」で毎週発売される新商品を食べて毎日レビューしています。豚骨スープとノンフライ麺の組み合わせがお気に入りですが、実はスープにごはんを入れて食べるのが最も至福の時です。 Twitter(@ossern)
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