懐かしの駅名標、Webで簡単再現... 話題の「ホーロー駅名板シミュレーター」、制作者の思いを聞いた
厳しい北海道の鉄道を思って
北海道はもちろん全国の駅名、いや駅名ですらない地名を入力するだけで駅名板になるシンプルさが受けたのか、鉄道ファンのみならず多くのネットユーザーがこのサイトでこぞって架空のホーロー駅名板を作り出すまでになった。
最近はやりのカタカナ駅名、さらには海外の駅名などもネタにホーロー駅名板にしてしまうユーザーも現れ、サイト公開直後の数日間はマニア的な盛り上がりを見せていた。
#ホーロー駅名板シミュレータ
— 学芸員K (@Gakugeiin_K) 2019年4月22日
〈北海道各駅に設置されているホーロー駅名板を再現〉
湾仔を「わんちゃい」とひらがなで入れてみたら香港じゃなくて北海道の地名のように思えてきた。 pic.twitter.com/sZoWnxxu4S
阪急神戸線バージョン。
— あっきー?? (@Ackey_hnkM8000) 2019年4月22日
そんなに違和感がないww#ホーロー駅名板シミュレータ pic.twitter.com/LLQzhZcZh3
意外なところからブームを巻きおこしたサイトを制作した思いなどについて、制作者の日原さんに取材した。
国鉄時代には全国各地で当たり前だったホーロー駅名板だが、徐々に新しいデザインのものに置き換えられて本州では絶滅危惧種に近い。しかし北海道ではまだかなりの数のホーロー駅名板が残っていて、根強い人気がある。北海道なので、駅名の下の広告がほとんどの場合サッポロビールなのが特徴だ。
鉄道好きな日原さんも、北海道を何度も鉄道やバスで旅し、ホーロー駅名板もカメラに収めてきた。
JR北海道や道内の路線バスをめぐる状況はとても厳しく、至るところで廃線の危機がささやかれている。鉄道の廃線ルートを運行していたバスすら廃止になり、廃線跡をたどることすら難しくなっている。
またホーロー駅名板自体も新型に置き換えられたり、廃線で駅そのものがなくなってしまったりで数を減らし、希少価値が増している。北海道の鉄道が元気だった頃を思い起こさせてくれるアイテムがこのホーロー駅名板なのである。
そうした愛着がきっかけで、日常でも北海道を感じられたらと思いをはせて作ったのがこのホーロー駅名板ジェネレーター。駅名を入力するだけでホーロー駅名板の画像ができてしまうようにした。
しかし前述のように、文字を入力するだけでホーロー駅名板が作れてしまうシンプルさが受けたのか、国内外の駅名・地名はもとよりキャラクターの名前や流行語までも駅名板にしてしまうネットユーザーが多くいた。
実際、日原さんが独自にまとめた、作られた駅名板数のベスト30には、北海道の駅名に混じって「たかなわげーとうぇい」や「わいあーるぴーのぴ」さらには「れいわ」「がおー」などネタとしか思えないものも。
#ホーロー駅名板シミュレータ,丸2日で30万PV突破した...(ツイッターのちからってすげー)
— 日原 (@nippara22) 2019年4月23日
というわけで,これまでに作られたホーロー数のTOP30を発表(リンクをクリックしただけのものも含む)
個人的には,張碓・楓・飛行場前・上越あたりがランクインしているのが嬉しいですね pic.twitter.com/JVneHsQEZK
「大喜利大会になるとは思ってもいませんでした」と苦笑する日原さんだが、ホーロー駅名板の知名度もずいぶん上がったと思われる。日原さんの願望のように、北海道の鉄道に興味を持ってくれる人が少しでも増えてくれればと思う。