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事件が起きても違和感ゼロ? 山形に「ミステリの舞台」にしか見えない洋館があった

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2019.04.26 17:00
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旧済生館本館(Loup and Lawさん撮影、Wikimedia Commonsより)
旧済生館本館(Loup and Lawさん撮影、Wikimedia Commonsより)

山形県山形市にある洋館が、「完全にミステリーの舞台だ」といま話題になっている。この建物は、旧済生館病院本館。1878年(明治11年)に山形県立病院として建設された、国の重要文化財だ。現在は霞城公園内に移築され、「山形市郷土館」として歴史資料館となっている。

ツイッターに寄せられているのは、次のような声だ。

「これはミステリー向きの建物」 「十角館の殺人を思い出しました」 「殺人事件起きても違和感ないな」

なんとも不思議な、怪しい魅力を漂わせる明治の洋館、旧済生館病院本館とは、いったいどんな建物なのだろう?

宮大工が手がけた「擬洋風」建築

旧済生館本館三層楼を背面から仰ぐ(ume-yさん撮影、Flickrより)
旧済生館本館三層楼を背面から仰ぐ(ume-yさん撮影、Flickrより)

山形県のウェブサイトには、旧済生館本館について詳しく紹介されているが、そこには「当時の山形県令三島通庸の『山形の近代化を図る』という構想のもとに竣工した」と記されている。また「済生館」という名前は、当時の太政大臣・三条実美の命名だという。

建物については、次のような説明があった。

「建物は、当時横浜にあったイギリス海軍病院を参考にしたと言われている。中庭を囲んで病室を円形に配置し、正面の塔屋は三層構造の独特の形態になっている。当時の人々は、この建物を親しみをこめて『三層楼』と名づけた」

上の写真は、三層になった塔屋を背面から見た光景だ。

建築を手がけたのは、山形の宮大工と300人の職人たち。工期はわずか7か月だったという。木造の擬洋風建築として、明治初期の代表的な建物とされている。横浜に存在した西洋建築が、みちのく山形の地で見事に蘇ったのだ。

旧済生館本館館内(ume-yさん撮影、Flickrより)
旧済生館本館館内(ume-yさん撮影、Flickrより)

また館内については、こう記されている。

「1階の正面玄関は八角形のポーチ、2階は正十六角形の大広間、さらに螺旋階段で3階の八角形の小部屋に通じ、それぞれの階にベランダを配した構造になっている。三層楼の背面には中庭を囲む十四角形の回廊があり、回廊に沿った八室の病室がある。」

八角形のポーチ、正十六角形の大広間、螺旋階段、八角形の小部屋など、凝りに凝った設計には思わず目を奪われる。明治初期の宮大工たちの頭脳と技術に驚くほかないだろう。

旧済生館本館階段(ume-yさん撮影、Flickrより)
旧済生館本館階段(ume-yさん撮影、Flickrより)

ツイッターには、こんなツイートも投稿されている。

なるほど山形市郷土館(旧済生館本館)は、ミステリ好きだけでなく、歴史好き、建築好きなど、いろいろな人も楽しめそうな観光スポットのようだ。大型連休中も開館している。開館時間は、9時~16時30分。詳しくはこちらへ。

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