群馬が「上毛かるた」なら、埼玉は... 実は存在した「彩の国かるた」、制作のねらいを聞いた
郷土かるたといったら群馬県の「上毛かるた」が有名だ。「鶴舞う形の群馬県」というフレーズは、他県民でも聞いたことがある人が多いのではないか。
しかし、この上毛かるたに負けず劣らず(?)の郷土かるたが、群馬のお隣・埼玉にあった。それは「彩の国21世紀郷土かるた」だ。
こちらの画像は新札の肖像になることになった渋沢栄一を題材に、
「栄一も食べたネギ入りにぼうとう」
と埼玉が誇る偉人と深谷市の郷土料理「煮ぼうとう」を紹介した札だ。
郷土埼玉のために
しかし、埼玉出身のO記者に「彩の国21世紀郷土かるた」について聞くと、「知りません...」との回答が。知名度はそこまで高くないのかもしれない。とはいえツイッターには、
「群馬が上毛かるたなら、埼玉は21世紀郷土かるた」
との声も。熱烈なファンもいるようだ。
いったい、どういう経緯で制作されたものなのか。この郷土かるたを販売する埼玉県子ども会連合会の担当者は2019年4月12日、Jタウンネット編集部の取材に、
「1982年に埼玉県教育委員会が県内の小・中学生の協力のもとに子どもたちが郷土埼玉の歴史や人物、重要な産物、雄大な山や川などをよく知り、郷土を愛し、郷土埼玉のために力を出し合える県民になってほしいとの願いから『さいたま郷土かるた』を作成しました」
と説明した。
そのうえで、「平成の21世紀になり、若田光一さん(宇宙飛行士)などの活躍を踏まえ、2006年に『彩の国21世紀郷土かるた』として全面改訂して現在に至っています」。読み札の文言や絵札の図案は県内の小中学生から募集して作成されたという。
毎年3月に県内の小学生を対象にして県大会が実施されている。団体戦(120チーム・480人)と個人戦(120人)があり、県内各市町村の予選会を勝ち抜いた代表が競技に臨み、熱戦を展開しているそうだ。県大会は今年度で38回を迎えたということで、歴史がある。
「県大会や各市町村の予選会は競技者の子どもたちの活躍の場であるとともに、審判として子ども会のジュニア・リーダーの子どもたち(中・高校生)があたって大会を実施し、審判にあたる子どもたちの活躍の場ともなっています『上毛かるた』にない本県の特色です」
大会運営を通して地元の子どもたちに様々な活躍の場を提供することも一つの狙いのようだ。
「県内の児童生徒の応募から出来上がった『郷土かるた』としてさらに広く普及させながら埼玉の子どもたちの郷土愛を育むとともに、競技を通して子どもたちの成長の機会とできるよう取り組んでいきたいと思います」
埼玉にゆかりのある人はぜひ入手してみては。