奈良の切実すぎる願い→「泊まれ」 話題の直球ポスター、制作元を直撃すると...
奈良市観光協会が制作したポスターにいま注目が集まっている。
鹿が横断歩道を渡っている様子が映された上の画像。ビートルズの名盤「Abbey Road」のジャケット風に堂々と歩く鹿に加え、印象的なのは「泊まれ」と書かれた横断歩道や「#日帰りなんてマジカ」というインスタ風の文言だ。
「日帰りされることが多い」などと言われている奈良県の悲鳴に近い(?)観光ポスターにネット上では「切実すぎる」との声が相次いだ。
いったいどうしてこうなったのか。制作した奈良市観光協会に話を聞いた。
「奈良はゆっくり過ごすには最高の場所」
「奈良には日帰りで来られる方が多いということで、泊まってほしいというメッセージを込めました(笑)」
そうストレートに語るのは奈良市観光協会広報企画課の胎中謙吾さん。日帰り観光客が多い奈良県への宿泊を願って制作されたものだという。やっぱり、かなり直球な理由だったようだ。
「このポスターは平成28年度に作ったものなんです。私たちからしたら普通のことなのですが、ポスターを制作した当時、観光客の間で『奈良では鹿が横断歩道を渡る』と話題になったことがあり、デザインに起用しました」
とポスター制作時の経緯を語った。ポスターの反響はどうなのかと聞くと、
「修学旅行に来る学校さんや旅行会社さんから問い合わせがあった際にお渡ししていたのですが、たとえば、学校さんに渡すと『泊まらないかん』と思ってしまうと言われます(笑)」
胎中さんによれば、話題のポスターは学校や旅行会社の問い合わせや観光キャンペーンの際に配布しているということで、奈良県に行けば手に入るものでもないという。意外にもレアなポスターのようで、持っている人はラッキーかもしれない。
真偽のほどは定かではないが、ネット上ではポスターでも写っている「泊まれ」の横断歩道が実在するとの話も上がっている。しかし、実際にはなく、こちらは合成だ。
今回ネットで話題になったことを受けての感想を聞くと、
「まさか2年経って注目されることになるとは思っていなかったので、驚いています。奈良はゆっくり過ごすには最高の場所なので、ぜひ多くの人に泊まっていただきたいです」
と予想外の反響に驚きながら、奈良での宿泊をアピールした。