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「刑務所産」あえてアピール、いまやブランドに 大人気「マル獄シリーズ」誕生秘話

松葉 純一

松葉 純一

2019.03.17 17:00
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いま話題のグッズをご紹介しよう。

表地は中厚紺帆布や和柄の生地を使用したシンプルなデザインの小袋。内側は厚みのあるキルティング加工生地で、しっかりとした丈夫な作りになっている。上部にフック、裏面にはベルト通しが付いているので、使い勝手も良さそうだ。

刑務所の小袋(画像提供:公益財団法人矯正協会のオンライン通販サイト「CAPIC」、以下同)
刑務所の小袋(画像提供:公益財団法人矯正協会のオンライン通販サイト「CAPIC」、以下同)

中央のラベルには、丸で囲った「獄」の字が大きくデザインされている。「はこだて」「PRISON」といった文字も読み取れる。はっきり言って、かっこいい。そう、これは函館少年刑務所の受刑者が刑務作業で作った製品で、大評判のヒット作「マル獄シリーズ」の一つだ。

しかし、刑務所で作られたことを前面に打ち出したこのシリーズ。いったい、どういう経緯で生まれたのだろうか? Jタウンネット編集部が、考案者の話を聞いた。

「自分たちで仕事を見つけなくては!」

刑務所の前掛け ポケット付ショート丈・新
刑務所の前掛け ポケット付ショート丈・新

電話で答えてくれたのは、「マル獄シリーズ」を考案した川村成昭作業専門官だった。

「2006年、今から13年ほど前ですが、民間業者から受注する刑務作業がすっかり減ってしまって、困ったことがありました。詳しくは分かりませんが、私たちは受刑者たちを遊ばせておくわけにはまいりません。なので、何か自分たちで仕事を見つけなくては、と考えました。そこでラーメン屋の前掛けをヒントに、刑務所製品のPR用にと前掛けを作ってみました。それがきっかけでした」
刑務所の手提袋 ミニ Chino Cloth
刑務所の手提袋 ミニ Chino Cloth

刑務所内で職業訓練している縫製と印刷の技術を生かして、手提げ袋、ショルダーバッグ、小袋、スマホケース、ブックカバーなど、さまざまな製品を開発する。今や100種近くまで増えてきたという。

「いちばん苦労するのは、素材選びですね。未知のものを探して、専門家に相談するなど、改良を重ねています。最近手掛けたのは、ビンテージ加工を施した生地ですが、お客様の反応が楽しみですね」と川村さん。ユーザーの声や、取引先の業者の情報を参考にしながら、新しい製品を開発しているのだ。「マル獄シリーズ」2018年の売り上げは約7800万円だったというから、すごい!

刑務所のスマートフォンホルダー
刑務所のスマートフォンホルダー

「マル獄シリーズ」は、函館市内にある函館少年刑務所展示場、函館空港売店、金森赤レンガ倉庫、函館山ロープウェイ売店で販売されている。または公益財団法人矯正協会のオンライン通販サイト「CAPIC」のe-shopでも購入できる(在庫切れの場合もある)。

最後に、川村さんが教えてくれたとっておきの情報を一つ。

「実は、お客様からの要望が多くて、いまリュックサックを試作中です。改良に手間取っていますが、6月頃には発表できるかもしれません」

「マル獄シリーズ」のリュックをかついで通勤する。こいつは、なんともシュールだぜ!上司の見る目が変わるのは、間違いない。

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