星のように輝くお米が、鳥取で生まれた...! 話題の新品種「星空舞」食べてみた
口の中がプラネタリウム
19年2月25日、ジェイ・キャスト社内にある訪問客が訪れた。
おひつを抱えて登場したのは、鳥取県庁や全農、農業試験場の面々で構成された星空舞PR隊の方々。なんと星空舞をJタウン編集部に食べさせてくれるという。
新ブランドの試食と聞いて既に舞い上がってしまっていたが、その前に一旦、星空舞についての説明を受けることにした。バックグラウンドを知っていれば美味しさが増してくるかもしれない。
星のように輝くお米から名前を付けた品種。鳥取の観光キャンペーン「星取県」とも絡めている。栽培をする際に夏場の高温に強く、コシヒカリに比べて背丈が低く倒れにくい。いもち病にかかりにくいといった強みがある。
「生産者が困らないように、役に立つ品種を作りたい」
こう語るのは鳥取県農業試験場の開発担当者である橋本俊司さん。自らも農家の出身で家族が農作業で苦しむ姿をみてきたからこそ開発した。
「天候に恵まれない年でも、農業者が困らず、美味しさを損なわない、誰もが喜ぶ世の中に役立つ品種を作りたい」
消費者だけでなく生産者も念頭に入れた自信の新品種だったのだ。
18年度は試験栽培で生産量も約20トンだったが、19年度からは大幅に栽培面積を増やして1500トンの生産を目指す。販売面でも関西で本格販売を開始。都内のアンテナショップでも入手できるようにして、全国での普及をはじめる。
農家の期待の星とも言える米。それだけに味への興味がますます湧いてきた。
いよいよ試食の時間だ。艶やかで輝きを放つ米飯に期待が高まる。Jタウンネット編集部に炊飯器が常備しているはずもなく、別の場所で炊いたものを持参していただいた。
少し冷えてはいるが、この状態でも星空舞の強みが発揮されるのだとか。PR隊の方によると冷めても食感が変わらず美味しい。そのため、弁当やおにぎりにも向いているという。
では、その強みも念頭に入れつつしつか味わってみよう。
口に入れて米を噛んでいくと、キレのよい甘みを感じた。コシヒカリの柔らかくゆっくりと広がる美味しさと違って、キレがあり芯の強い味がはっきりとわかる。見た目の美しさに味の強さ――まるで、アクション女優の志穂美悦子さんのようなお米だ。
食感も優しく跳ね返るような弾力感があり、粒の存在感も強い。味と食感の双方から充足感を与えてくれる。ある程度は冷えていながらも味も食感もベストに近いではないだろうか。冷えてしまったことによる不快感などはまったくない。
この日はおかずとして鳥取県のらっきょうのキムチ漬けも用意していただき、こちらと合わせていただいた。米の甘さで辛さが程よく抑えられ、お互いの刺激の良いところがくっきりと現れていた。
東京では3月17日の「スポーツフェスティバルin東京スカイツリータウン」でも販売される。
農家の期待の星から全国の「家庭の星」へ。星空舞の輝きは、これからどんどん増していくことだろう。