西成の銭湯事情って、どうなってるの? 20代女子が老舗店主に聞いてみた
<連載>20代女子、西成に住んでみた
第10回 文・イカ子 写真・せや
みなさま、ごきげんイカが?大阪・西成在住の26歳、イカ子です。現在は自身のウェブメディア、YouTubeなどで女性目線での西成情報を紹介しています。連載もついに十回目となりました。今回は西成の山王にある銭湯「日之出湯」さんをお尋ねし取材してきました。

西成は「銭湯密集地」
実は、筆者イカ子はマイ銭湯セットをカバンに入れ持ち歩いているほどの銭湯好き。いや、もはや「銭湯狂い」と言えるレベルなのです。
仕事上PCでの作業が多いためすぐ肩がこってしまうのですが、銭湯に行くことでリフレッシュできます。また、生まれたての状態(裸)で自分と向き合う「瞑想の時間」を過ごすこともできます。
私にとって銭湯とは「たった440円で楽しめる癒しのテーマパーク」。西成の動物園前駅近辺には10軒ほどの銭湯が点在していて、私には最高の環境なのです。
「貴方は もう忘れたかしら 赤い手拭 マフラーにして」
私が好きな昭和のフォークソング「神田川」(かぐや姫、1973年リリース)の冒頭の歌詞のように、赤い手ぬぐいをマフラーにしてみて、テンションを上げつつ日之出湯へ取材に向かいました。

大阪で初めて「水素風呂」を導入
今回取材した日之出湯は、昭和感漂う商店街や家屋が立ち並ぶ山王地区にある、1954年(昭和29年)から続く老舗です。
入湯料は440円。ワンコイン以下の値段で、黄金に輝く水風呂や電気風呂、群馬県の名湯「伊香保温泉」を再現した薬湯、さらには露天風呂など、バラエティーに富んだお風呂を満喫することができます。
日之出湯の方によると、日雇い労働者が多かった4、50年前のピーク時には、付近の銭湯はどこも人で溢れかえっていたそうです。そこには、風呂なしの家が多かったという当時の時代背景の影響もあったとか。しかし、その時期をピークに銭湯の数も減少していきました。
高齢者もデイサービスを利用するようになるなど、銭湯人口が減っていく中、ご主人の西野さんは「遠くからでも来てもらえる銭湯にしたい」ということで、16年7月に大阪の銭湯で初めて水素風呂を取り入れるなど、新たな試みをしています。
さらに、最近では高気圧酸素カプセル(入湯料とは別料金)も導入。付近のボクシングジムに通うボクサーや、スポーツをやっている中高生などにも多く来てほしいと考えているそうです。
朝6時から営業している日之出湯。「西成モーニング」を楽しんだついでに、こちらでひとっ風呂楽しむのもいかがでしょうか。
