「1000人の金田一耕助」今年も真備町で コスプレ企画に込めた復興への思い
学生のミステリーイベントも開催
倉敷市は金田一シリーズの生みの親、横溝さんゆかりの地。横溝さんが疎開していた家は「横溝正史疎開宅」として保存されているほか、「金田一耕助の小径」というウォーキングコースも整備。「八つ墓村」に登場する森美也子など作品に登場するキャラクター像も設置されている。
このように街全体が横溝作品を大切にしている。それに呼応するかのようにファンたちもこの場所へ集まってくる。「巡・金田一耕助の小径」は東京・二松学舍大学メディア祭実行委員会の学生による体感型推理ゲーム「名探偵 刑部大輔(おさかべだいすけ)の事件簿」が11月10日と11日、倉敷市芸文館で実施。横溝ファンだけでなく推理ファンや前知識のない一般の人でも楽しめる「推理版脱出ゲーム」も用意されている。また、コスプレイベントの前日からはスタンプラリーも行われる。
数々のイベントが用意されているが、やはりメインとなるのが「コスプレイベント 1000人の金田一耕助」だ。
東京や大阪で頻繁に開催されているアニメやゲームのコスプレイベントとは趣が違っている。「本陣殺人事件」の舞台にもなった清音駅(総社市)に集合し、町を練り歩く。

その道中に地元真備町の方々が小説の一場面を再現する。撮影が主となる前者と異なり、聖地を堂々と歩き、挙句、地元住民を巻き込んで寸劇でシーンまで味わえる体験型のコスプレイベント。こうなってくると登場人物になりきるよりも身をもって作品の情景を楽しむためのアイテムとしてコスプレが成り立っているようにも思える。

衣装は金田一耕助をはじめする横溝作品のキャラクターに留まらず、他作家の名探偵でも参加可能だ。
コスプレイベントの後にはファン同士が語り合う「意見交換会」も実施される。
かなりマニアックなイベントのような印象も受けるが、どれほどの人が参加しているのか。Jタウンネット編集部は11月5日、倉敷市観光の担当者に話を聞いた。