佐賀は地味じゃない、「滋味」ある県だ! 「佐賀あるある本」著者に聞く地元の魅力
佐賀をさがそう――。こんなキャッチフレーズで一時期PRしていた佐賀県。ピン芸人・はなわさんが2003年に発表した「佐賀県」でも、「クラスの半分以上が同じ床屋」などとして、自虐的に県の魅力を歌い上げていた。
18年10月15日に発表された「全国都道府県別魅力度ランキング2018」でも44位。果たして佐賀県の魅力とは、そこまで探さなければ見つからないものなのだろうか。
そんな中、10月11日に佐賀県の魅力を紹介する「そいばってん佐賀」という本が発売された。著者は佐賀市在住の平尾茂さん。地元を熟知する平尾さんがゆるいイラストで佐賀の魅力を紹介していくというのだ。
Jタウンネット編集部は早速現物を入手。31日、著者の平尾茂さんに佐賀の魅力を改めて聞いてみた。
)「本当に良いものは土の下に」
九州地方の温泉や佐賀のお酒に関しての著作がある平尾さん。大学卒業後、佐賀市役所に入庁し、長年企画、観光、文化部門に携わった。「もっと身近なところから佐賀を見つめ直して、地元の人にも佐賀を見直してもらいたい」と今回の執筆に至った。
「そいばってん」(そうだけれども)という言葉を切り口として、「狭いけれども、(実は)博多や東京へ行くのに利便性がいい」といった両義的なネタを紹介。執筆の際には300ほどのネタを仕入れ、その中から135に抜粋。著作には紹介できなかった少しピンクなこぼれ話もあるとか。
「佐賀の本当に良いものは土の下に隠れていたりします」
と、平尾さん。吉野ケ里遺跡などの遺跡や特産のレンコン、玉ねぎ、ムツゴロウといった美味しいものも土の下に隠れており、なかなか人の目に触れにくいのだそうだ。
飲んだシメはやっぱりパフェ
驚いたのは佐賀では、飲んだシメにパフェを食べるのだそう。「佐賀市では知られています」と平尾さんは話す。
なんでも佐賀は江戸時代に交易の中心だった長崎から江戸まで砂糖を運ぶ「長崎街道」(別名=シュガーロード)の通り道だったこともあり、佐賀県にはお菓子を食べる伝統が根強いとのこと。お酒のつまみに甘い物も一般的で、料理の味付けも甘口、濃い目が多いのだとか。
平尾さんに佐賀初心者がまず訪れた方がいいところを聞くと、
「唐津、呼子はまず。また有明海沿岸には嬉野温泉や武雄温泉といった柔らかい泉質の温泉もあって、おすすめです」
また、10月31日から11月4日にかけて開催されるアジア最大級の熱気球競技大会・インターナショナルバルーンフェスタも今では佐賀県の人口よりも多くの人が訪れる注目イベント。期間中は「バルーン佐賀駅」という臨時駅も営業されるほどの人気ぶりで、毎年11月2から4日に開催される「唐津くんち」とも併せて重要な観光資源になっているとのこと。
海苔漁獲量日本一の佐賀。10月から2月にかけてはイベントや海苔の収穫シーズンと重なり、観光におすすめシーズンだという。
「たしかに佐賀は面積も小さくて目立たないところかもしれませんが、滋味溢れるところです。国土が狭くてもモノづくりで生きていることを実感できます。佐賀に来たら日本の原点が感じられると思いますよ」