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平成の最後の城「尼崎城」 145年ぶり再建で、一般公開を楽しみに待つ尼崎市民

松葉 純一

松葉 純一

2018.08.29 11:00
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天守が姿を現した、建築中の尼崎城(写真提供:尼崎市城内まちづくり推進課)
天守が姿を現した、建築中の尼崎城(写真提供:尼崎市城内まちづくり推進課)

兵庫県尼崎市は兵庫県の南東部に位置し、大阪市に隣接する、人口約45万人の都市だ。ここに建築中の「尼崎城」が、いま話題となっている。

上の写真をご覧いただこう。4層の天守が姿を現し、屋根の上には瓦はもちろん、シャチホコも取り付けられている。

尼崎城は1617年、戸田氏鉄(うじかね)により築城された。戸田氏の後は、青山氏、桜井松平家と続き、幕末を迎える。1873年(明治6年)の廃城令により、建物は取り壊された。

この尼崎城が、145年ぶりに鉄筋コンクリート造りで再建されているのだ。竣工予定は2018年秋、内部の一般公開が始まるのは2019年3月29日予定だ。

「築城中!!!」「早速登城せなあかんな」

尼崎城は完成間近だ(写真提供:尼崎市城内まちづくり推進課)
尼崎城は完成間近だ(写真提供:尼崎市城内まちづくり推進課)

まず、この尼崎城がなぜ造られるようになったか、その経緯をかんたんに紹介しておこう。

2015年、旧ミドリ電化(現在のエディオン)創業者の安保詮(あぼあきら)氏が、私費で新天守を建てる意向を表明した。安保氏が投じる建設費は十数億円。場所は、阪神尼崎駅近くの城址(じょうし)公園だ。完成後は尼崎市へ寄贈され、市の歴史を学ぶ施設として利用されるという。

Jタウンネット編集部は18年8月28日、尼崎市に電話で話を聞いてみた。答えてくれたのは、城内まちづくり推進課の担当者だった。

「尼崎市でも2017年5月から一般からの寄付を募り始めました。それが『一枚瓦寄附』『一口城主寄附』です。他にも、ふるさと納税でも呼びかけました。すると大変な反響がございまして、今年の3月には1億円突破となり、8月には1億4000万円を超える勢いです」

「一枚瓦寄附をされた方の中から、約1800人の方が記名式に参加されました。なかには埼玉県から来られた方もいらっしゃいましたね。自分で記名した瓦が実際に天守の屋根に乗るのを想像して、とても楽しみにされていました」と担当者。

尼崎市民や出身者からの寄付の他、民間企業からの寄付も相次いでいるという。これらの寄附金は、内装や展示内容の充実に充てられるとのこと。

「平成の最後に建つ城、とおっしゃる方もあり、予想以上にご好評をいただいております。『尼崎市内には今まで目立つものがなかったが、この城がランドマークになる』と期待される方も多いようです」

ツイッターにはさまざまな声が寄せられている。

「図書館裏の空き地にコツコツ新築してる尼崎城もいいものですよ」「......一般公開が始まったら、早速登城せなあかんな」「おかえり尼崎城」などといった感想だ。尼崎市民が楽しみにしている様子が伺える。

「一口城主寄附」締切は11月30日までの予定。3万円以上、10万円以上、30万円以上、100万円以上の各コースがあり、寄附者名や団体名等が尼崎城の内部に掲示される。

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