もうすぐ100万再生「カモンベイベー栗原」 地元を愛するミュージシャンが、替え歌に込めた思いとは
「止まらぬ過疎化にインスパイア」
「C' MON BABYくりはら 止まらぬ過疎化にインスパイア」
曲中、このように歌うのは、主に宮城県内で活動しているバンド、「PANDALION(パンダライオン)」(14年2月結成)のメンバーであるMOZさん(30)。
バンドメンバーは、いずれも東北出身の4人。取材に応じてくれた栗原市出身のMOZ(モズ)さん(30)、青森県三沢市出身の59(ゴクウ)さん、青森県弘前市出身のKIM(キム)さん(36)、仙台市出身のAIBA(アイバ)さん(34)だ。
踊り・振り付けは「U.S.A.」を参考にしているが、オリジナルやM.C.ハマーさんの様なダンスも取り入れている。動画には59さんも出演しているほか、撮影や編集もメンバーで行った。
MOZさんの出身地である栗原市の「あるある」や「田舎あるある」などを詞に盛り込んだ替え歌として歌い、地元をPRしている。例えば、曲中には次のような歌詞がある。
「FM入らない場所がちらほら」
「仙台が衝撃だった」
「小学生の頃に築館町(旧名)に行くとき街へ出かけると母にそう言い残してた」
「母校の先輩『クドカン』『英孝ちゃん』」(編集部注:映画監督・宮藤官九郎さんと、お笑い芸人・狩野英孝さん)
撮影場所は栗原市内の各所と仙台駅、制作費用はホームセンターで購入した長靴や100円ショップのサングラスなど計4000円と手軽ながら、「YouTube」で2018年8月6日に公開すると16日時点で92万回の再生回数を誇る。
曲を通し、MOZさんは地元の良さを伝えようとしたという。
「僕が栗原出身で、今も縁があってまた栗原市に住んでますので、少しくらい話題になってPR出来ればいいなーと思ってました。例えば、歌詞にもありますけど『子供の医療費無料』とか、市外の方に話すと結構驚かれますけど、過疎化が進む中で、行政もできる限り色々頑張ってるんですよね。そういった良い所も是非知って頂きたいですね」
そんな栗原市の良いところとして、アイスクリーム店「あいすむら」、ラーメン店「みよし食堂」、「パレット」の豆パン、紅葉時の栗駒山、若柳の花火大会などをあげたが、「色々ありすぎて書ききれません」。
替え歌を作ったきっかけは、「好きな『U.S.A』を田舎のここでやるから面白いんじゃないかなという発想が一番の理由ですね」と思ったのがきっかけだという。
「元々、『U.S.A』が好きで聴いてたんですけど、キャッチーだし、ダンスも話題でしたから。これを僕の地元である、栗原市の田んぼの真ん中で撮影したら、ギャップがあって面白いよねって、メンバーの59君と冗談半分で話したのがキッカケです」
ツイッターなどSNS上で話題となったことについては、「正直驚きました」と驚愕。
「DA PUMPさんの楽曲が素晴らしいからなんですけど、正直ここまでは予想してなかったので驚きました(笑)結果的に寄せられたコメントなんかを見てると、『栗原市に行ってみたい』とか『面白い!クオリティーが高い!』というような声が多くて安堵しています。また僕らの元々のファンの皆さんが『パンダライオンのオリジナル楽曲も聞いてー!』と、自発的に拡散してくれてたのが凄く嬉しかったですね」