うどんの東西の違い、出汁だけじゃない? 1玉の量はどうだ【都道府県別投票】
東日本と西日本の違いは特に食べ物関連に表れやすいようだが、「うどんの東西差」といえば、日清の「どん兵衛」に東と西の2パターンの味が用意されている話などでも有名な、出汁(つゆ)の違いだ。
いわゆる「関東風」と「関西風」の違いで、別にうどんに限定されるわけではなく、他の出汁を利用する料理にも影響するが、昆布や煮干し、鰹節、薄口・濃口しょうゆなどの違いが出汁の違いとなっている。
ここまでは誰でも知っている、とは言わないが、Jタウンネットとしては常識として押さえておきたい話だ。だが、今回取り上げるのは出汁の話ではない。うどん1玉の「量」だ。
中間値は240~250gのようだが
事の発端は、いつものように居酒屋で記者がさまざまな地域の情報収集に勤しんでいたときだった。愛知出身の男性とうどんの話をしていたところ、「うどんの1玉の量が、関東と関西で違わないか」と言われたのだ。
「関西の方だと200~230gくらいで、関東だともう少し多いような気がするんですよね。すべてのお店を計って比較したわけじゃないですけど」
男性が指摘する関西というのは近畿圏で、関東というのは首都圏を指していたようだ。同じような話を、製麺機メーカーのサイトなどで見かけたこともある。量の多さが逆のパターンもあり、記者としても少し気になっていた。
うどん屋でうどん1玉の量がグラム表示されていることがあまりなく、意識したことはなかったのだが、違いがあってもおかしくない。もちろん、あるお店では1玉の量がすごく多く別のお店の大盛りほどある、といったように店の個性やスタンスの違い、と言ってしまえばそれまでで、うどんの太さなどによる細かな違いも出てくると考えられるが、それなりの傾向はあるのではないだろうか。
参考値として、いくつかの「1玉(1食)」分の重量を調査してみた。
まず、スーパーの店頭で市販の袋うどん(すでに茹でたもの)を確認してみると、1袋の麺量は180~200gが多く、最大で220gといったところ。製造元の住所などを見る限り、特に地域差があるわけではないように思われる。
都内のうどん店(個人店の讃岐系や武蔵野系)数店に話を聞いてみたところ、1玉(「普通」や「並」とされる量)が250~300gで、取材をした限りでは200gという回答はなかった。
四国新聞社が公開している「讃岐うどんマップ」では高松市から東讃・中讃・西讃各地のうどん店の情報を見ることができ、1玉のグラム数も確認できる。これによると、市街地のうどん店は1玉200gというものが多く、郊外は250~300gの店舗が多い傾向にあるようだ。
うどんに使用する小麦粉を作る木下製粉(香川県坂出市)のサイト上では、「さぬきうどん1玉の重さはいくらでしょう」という問いに対し、
「さぬきのうどん屋さんのうどん玉はどうなっているのか、調査してみました。結論から言うと312店の平均は約240gで、スーパーのうどんの約二割増となりました」
との回答を記載していた。ちなみに下限は200g程度で、最大で500gという店舗もあるという。
さらに、主要なうどん店を展開する企業数社にもJタウンネットは取材を行ったが、ほとんどが非公開で、詳細はわからず。回答を得られた比較的知名度の高い企業、「はなまるうどん(はなまる、東京都中央区)」は「1玉(店頭表示は小)210g」とのことだった。
「テスト販売などで特定の店舗では例外もあるかもしれませんが、基本的にどの店舗でも一律小は210gです。展開する地域によってうどんの1玉の量を変えることはしておらず、そうした話も聞いたことがありません」
調査した限りでは、結局中間値が240~250g程度で、全体的な下限が200g程度なのでは......、というレベルのことしかわからなかった。
こうなると、読者の皆さんの意見を聞いてみるしかない。今回の投票では、家庭で食べる1玉の量はほぼ市販品の200gになってしまうと思われるので、うどん屋などで外食する場合を想定する。そもそもグラム数がわからない、という場合は自分が考える1玉量でも構わない。果たしてうどん1玉に地域差はあるのだろうか?