大人でも「名古屋の歴史」学び直せる! 中学生向け副読本が一般販売へ
突然だが、皆さんの地元はどこだろう。そして、「その土地の歴史を語ってくれ」と言われたらどう思うだろう。東京都日野市出身の筆者も含め、途端に閉口してしまう人も多いのではないか。自分の地元の歴史をたどる機会は、なかなか少ないように思う。
そこで、愛知県名古屋市では、愛知に関する歴史を綴った中学生向けの副読本が、一般向けにも発売となるという。いったい、どんな本になっているのだろうか。
名古屋の縄文時代から戦後までを追う
名古屋市教育委員会は、2018年度の新学期から名古屋市立中学校に通う全生徒に向けて、「ナゴヤ歴史探検」を制作。18年4月19日から一般向けにも書店で販売するといい、本体価格は830円(税抜)。チケットなどを販売するぴあ(東京都渋谷区)が発売する。
名古屋市教育委員会学校教育部指導室の担当者は、4月17日のJタウンネット編集部の取材に、
「名古屋市に愛着を持っていただき、興味を持ってほしいと思い制作に至りました。名古屋市の教育委員会が主導で作ったのは初めてですね」
とその経緯を語る。副読本は市販のものを学校が各々採択することが一般的だといい、教育委員会が制作に携わるケースはさほど多くないという。
「制作には2年ほどかかりましたが、ここまで名古屋について網羅性の高い内容のものも珍しいかなと思っています」
と述べる。
「普通の副読本となると、文量が多かったりして読みづらいこともしばしばですので、読みやすさは意識しました。中学生が読めないところにはルビを振ったり、レイアウトをタウン誌のようにしたりしています」
という。
本は15の章に分かれており、第1章の「名古屋にも住んでいた縄文人・弥生人 ~古代人の暮らしを知る」から、第15章「戦後の復興と発展 ~災害も乗り越えて」と、古代から近現代にいたるまでの名古屋の歩みを見つめる。
本の中にはQRコードもあり、名古屋城の防御がどのように行われていたのかに関する動画が見られる仕掛けがあったり、フィールドワーク情報も掲載したりと盛りだくさん。学校で本を読むだけではなく、外部へ広がりを持たせる特徴も持ちあわせており、中学生だけではなく大人も楽しめる内容となっている。