福岡のメーカーが作った「用途がわからないもの」に、なんとか価値を見出そうとしてみた
もし、あなたが買った商品の説明書に、
「使い方が『分からない』商品です! 誰か教えてください」
と書いてあったらどう思うだろうか。
「そもそも、そんな商品があるわけないだろう......」とお思いの方も少なくあるまいが、実は、そんなことが書いてある商品のプレスリリースがJタウンネット編集部宛てに届いてしまったのである。何はともあれ、ひとまず取り寄せてみた。
カップラーメンのフタを押さえてみると...!
この「用途が分からない」商品の名前は「ペチもとペチろー」。製造元は配電機器の部品製造やプラスチック成形を行うKNK(福岡県大刀洗町)で、発売場所や発売日程は未定だ。
もともとは、顧客の要望に応えようとして作った商品がボツになってしまったことで、金型がお蔵入りする危機に陥り、「なんとかして金型を活かせないか」と社員が考え抜いて生まれたものだという。設定の上ではKNKの新入社員という扱いで、きちんとした名刺もある。
いざ、KNKから郵送してもらうと、中には1枚の注意書きが。
「○食べ物ではありません。
○乳幼児の手の届かない場所で寝泊まり(保管)させて下さい。
○紙類(壁紙を含みます)に長時間貼っていると、跡が残る場合があります。
○汚れた際は、洗えば(洗剤使用可)嬉しくて粘着力が復活します。(完全には戻らない場合があります)
○小物の滑り止めとして機能しますが、急な斜面だと落下の可能性があります」
とある。とりあえず諸々気をつけながら触ってみると、触感はぶよぶよ。幾分粘着質で、伸縮自在。ひねったり伸ばしたり、丸めたりすることができるも、手を離すと元の形に戻る。そして、壁など、垂直なところに大概くっつく。
......こういった特徴は、一体何に使えるのだろうか。手当たり次第に試してみた。
本のしおりやラーメンのフタ留めとして使ってみると......
まず、「「ペチもとペチろー」の紙に対する粘着性の高さから、紙との相性はいいようだ。
ただ、しおりとして用いると、粘着質なところが仇にもなるようで、
といった具合に、前後のページがくっついてしまう、という憂き目にもあう。ただ、使えないことはないし、紙のしおりのように落ちてしまうことがほとんどないところは通常のしおりに対する優位性としてあげられるだろう。ほか、書類の間に挟み、種別に仕分けることもできる。
ほかにも、「ペチもとペチろー」の上部の穴を利用して、日付を指定することもできた。ただし、この用途が実用的かどうかは不明であり、日付の下部がほとんど見えなくなるのが難点だ。
一方、カップラーメンのふたを押さえるものとしてはイマイチ。「ペチもとペチろー」は先に述べたように元の形に戻ってしまうので、シールのように押さえようとしてもなかなかうまくいかない。それゆえに、
という風にふたを押さえることに。ほかにも、ビンの蓋をあける際に用いてみたが、むしろ持ちづらくなってしまう始末だった。
「ペチもとペチろー」には公式ツイッターや特設サイトもあり、ツイッター上では実際に利用している様子も投稿されている。中には釣りの疑似餌などとしての用途もあるようで、皆さんも「ペチもとペチろー」を手に入れられた暁には、その用途を考えてみては......。