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耳を使った新技術の研究が進む「イアラブル」って知ってる?

ご当地テレビ視聴隊

ご当地テレビ視聴隊

2018.03.19 06:00
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同時通訳の機能も研究中

「ガムを食べて休憩していたんですよ。耳がかゆくなって、耳の穴に指を突っ込んでみたら、ガムをかむと耳の穴の動きが指先に伝わってきた」と谷口さん。ありあわせの部品を使ってセンサーを作り調べたところ、顔の動きによって、耳の穴の動きが違うことがわかりました。

以来10年間、ずっと耳の穴の動きを利用した、機器の研究をおこなってきました。医療用としてかむ回数を記録する装置も開発しています。

かむ回数を計測する装置による効果について、専門家にたずねました。

佐賀県医療センター好生館消化器外科の田中聡也部長は、「胃の手術をすることで、胃をとってしまうと、胃の働きがなくなります。食べ物がきちんと消化される準備ができない状態で腸に流れてしまう。ゆっくりよくかんで食べるのが非常に大事になってきます」といわれていました。こちらの病院では、イアラブルを使い、患者のかむ回数の意識づけを研究しています。

「目標設定をするだけでも少し良くなるし、機器でフィードバックをかけるとさらに良くなるというのはデータとしてとれている。患者の意識づけとしては非常に有用だと思う」と田中部長はいわれていました。

イアラブルは、音声認識技術と組み合わせて、同時通訳の機能も研究中です。首の動きを検知することによって、話をしている相手の言葉を選んで翻訳することができるようになるといいます。

谷口さんは、体の不自由な方向けというのではなく、すべての人が共感できるような使い方を考えたいといいます。「イアラブルを世界の人が当たり前のように使い、幸福を味わえるような、そんな社会が訪れることが夢」と谷口さん。イヤホンタイプのほか、アクセサリーのように耳につける端末も試作しています。

私たちが当たり前のようにイアラブルを使う世界も、そう遠くないのかもしれません。この新しい技術、これからも目が離せませんね。(ライター・石田こよみ)

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