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「熊本県の道路は、県外の者に不親切」 矢印多すぎで、国の有識者会議が改善求める

野口 博之

野口 博之

2018.02.27 11:00
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熊本県内には、矢印だらけの道路標識があって、ドライバーに分かりにくい――。総務省の有識者会議がこう結論して改善を求めたことが、ネット上で話題になっている。

有識者会議では、「熊本県の道路は、県外の者に不親切と言われる」とも指摘しているのだ。

県道交差点の標識に、進行方向の「矢印」なんと7本も!

県道の上には、進行方向を示す道路標識の矢印が並んでおり、左折が2本、直進が3本、右折が2本と、計7本もある。これは、グーグル・ストリートビューで、熊本市中央区内の水道町交差点の付近を見ると確認できる。

進行方向の矢印が7本もある県道(熊本行政評価事務所HPから)
進行方向の矢印が7本もある県道(熊本行政評価事務所HPから)

総務省の熊本行政評価事務所は、いくつかの行政相談に対して取った対応について2018年2月26日までにホームページ上で公表した。民間の有識者でつくる「熊本行政苦情救済推進会議」(座長・鈴木桂樹熊本大学法学部教授)の意見を踏まえて行政に連絡するなどしたもので、うち1件に道路標識への苦情が含まれていた。

それによると、熊本に旅行した神奈川県内在住の人は、3車線ある県道28号線の右側を車で走っていて、水道町交差点の手前の道路標識に目を留めた。右折の矢印が2本あったため、右折レーンが出てきて4車線に増えたとき、右側2車線が右折だと思い込み、慌てて左隣の車線に変更した。

しかし、右折レーンは1車線のみで、変更前の車線でも直進できることが後になって分かった。そもそも矢印が7本もあるのが混乱する原因だとして、「事故が起きてからでは遅いので、もっと分かりやすく標識を設置してほしい」と神奈川行政評価事務所に申し出て、熊本の事務所が対応することになった。

ドライバーの混乱は、4車線の進行方向を示す「規制標識」の間に、「久留米 植木」「阿蘇 県庁」「八代 宇土」の3方向の行先を示す「案内標識」を入れたために起こっていた。

「規制標識を所管する警察と調整しながら、改善を検討」

総務省の有識者会議では、このことを挙げたうえで、「道路標識は、不慣れな方(特に県外者や外国人)にとって 非常に分かりにくい」と指摘した。そして、規制標識と案内標識を併設せずに離れたところに設置するか、規制標識の上に案内標識を置くなどすれば混乱が回避できたはずだとして、改善を求めた。

このほか、同様なケースの標識は、熊本市内の複数か所でも確認されたといい、有識者会議では、「熊本県の道路は、一般的に、県外の者に不親切」と言われているとしている。

県道については、熊本市が2012年に政令指定都市に移行してから、県に代わって市が道路管理者になった。これらの標識は県が管理者のときに設置されたものだというが、市の道路整備課では18年2月26日、Jタウンネットの取材に対し、こう話した。

「道路標識は、市の街中にありますので、設置場所が限られていたのではないでしょうか。規制標識も案内標識も形が決まっており、レイアウトを勝手に変えられないこともあると思います」

総務省の事務所からは1月末に連絡があったといい、今後についてこう説明した。

「分かりにくいとご意見を受けましたので、規制標識を所管する警察と調整しながら、改善を検討していきます。規制標識だけ残して、案内標識を手前にすることなどを考えています」

熊本の道路は不親切と言われるとされたことについては、「真摯に受け止めて、改善が必要なところは改善していきたい」と話している。

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