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5トンの巨大鏡餅を奉納! 54年ぶりに選ばれた、瀬戸市奉賛会の情熱がすごい

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2018.02.12 17:00
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米50俵分、5トンの鏡餅

尾張大国霊神社の公式サイトによると「国府宮はだか祭」の正式名称は「儺追神事(なおいしんじ)」。奈良時代に当時の天皇が全国の国分寺で悪疫退散の祈祷を行うよう命じたことが神事の発端だが、江戸時代末期に「寒参り(寒い時期に裸で行う参拝)」の風習と結びついて、現在のようなはだか祭になったという。

祭りの開催日は毎年旧暦正月13日と決まっており、2018年は2月28日。例年20万人近い見物人が集まるとあって、稲沢市の公式サイト上では当日は神社周辺が車両通行禁止になると注意されていた。

神社のトップページもはだか祭推しだ(尾張大国霊神社公式サイトより)
神社のトップページもはだか祭推しだ(尾張大国霊神社公式サイトより)

祭り好きの記者としては大注目の祭事のひとつだが、実ははだか祭の前日にも見逃せない一大神事がある。それが「大鏡餅奉納」だ。

大国霊神社の公式サイトには大鏡餅の仕様が紹介されているのだが、使用するもち米は50俵(約4トン)で、その巨大さは前述のとおり。使用する飾りの一例を挙げても、

「大鯛(特大)」2尾

「伊勢海老(特大)」6匹

「干柿(特大)」100個

「水引(特大)」100本

と数値だけで規模感がわからなくなる。元々は5~6俵分のもち米を使用したサイズだったようだが、1955年ごろから巨大化していき現在に至ったようだ。

鏡餅の規模感が狂う(尾張大国霊神社公式サイトより)
鏡餅の規模感が狂う(尾張大国霊神社公式サイトより)

この大鏡餅を奉納するのは稲沢市内外の奉賛会(氏子以外の崇敬者も集めた神社の支援団体)なのだが、今年奉納する瀬戸市奉賛会はなんと1964年以来54年ぶりに選ばれたという。

半世紀ぶりの大鏡餅奉納に瀬戸市奉賛会が注ぐ情熱はかなりのもので、奉賛会の公式サイト上ではかつての奉納が「瀬戸市の更なる発展の起爆剤となった」と明言。

「皆様方に多大の負担を強いる大事業では有りますが、大鏡餅奉納を瀬戸市で再び引き受け町の再活性化のきっかけにしたいと思います」
「今回の大鏡餅奉納行事も瀬戸市不朽の事績として後世に語り継がれてゆくことでしょう」

と宣言し、5トンのもち米を用意しているという。

2月4日付の中日新聞でも瀬戸市から54年ぶりに大鏡餅が奉納されることが取り上げられており、予算は7000万円とされていた。金額からしても相当な巨大プロジェクトであることがわかるが、54年に1度となれば一生に一度あるかないかのイベント。奉納するならば全力で取り組むという気概は理解できる。記事の中でもち米を生産したという農家の男性も、「自分の代で最大の仕事」「人生の記念」と語っていた。

ということは、次の瀬戸市からの奉納はまた54年後なのだろうか。大国霊神社にJタウンネットが確認したところ、「持ち回りというわけではなく、当社からお願いしてお受けいただいた奉賛会に奉納していただいている」という。

「市内の奉賛会ではおおよその順番がありますが、市外の奉賛会はお願いして、お受けいただけるかどうかです。なるべく市外からと考えていますが、こればかりは人のつながり、縁ですので、順番にというわけにはいきません。今回は瀬戸市と御縁があったということでしょう」

ちなみにこの大鏡餅、奉納後は上の餅が奉賛会に、下の餅が神社へと送られ、神事終了後(今年は3月1日)に切り分けられて100円で一般客に授与されるという。54年ぶりの思いが詰まった瀬戸市の餅、是非いただいてみては。

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