「八丁味噌」ってそもそも何? 発祥地・岡崎の老舗2社、国ブランドから除外
農水省は、本場の厳格な製法にこだわる老舗2社に反論
署名サイト「change.org」では1月28日、「ブランドを守るため、地理的表示における『八丁味噌』登録の改正を求めます」として、国などに再考を促す動きが始まった。2月7日夕現在で、700人超が署名に参加している。
農水省の知的財産課は7日、老舗2社の主張を認めなかった理由について、Jタウンネットの取材に次のように答えた。
「八丁味噌は現に、八帖町以外でも作られています。生産工場が愛知県内にあり、その名前の商品があります。サツマイモは鹿児島、コマツナは東京の地名に由来していますが、今やご当地だけのものとは言いません。八丁味噌は、県内だけで生産されていますので、『愛知のブランド』という受け止めでいます」
製法についても、2社との違いを認めていない。
「製法も、原理は同じです。2社が江戸時代から作っているのは事実ですが、例えば、石積みは圧力をかけるためのものです。天然石でなければダメということにはなりません。それは、製品の特長とは関係ないですね」
もっとも、2社を排除しているわけではなく、2社が八丁味噌を生産していることに変わりはなく、今後申請すればGI登録の可能性はあるとしている。2社が除外される形になったものの、名古屋の組合を登録したことで、結果的に海外のニセモノから守ることに役立つという。
2社除外の影響については、国内では、GIマークが貼れなくなるが、販売は従来通り続けられるとした。また、ヨーロッパでブランドが使えなくなる可能性はあるものの、「それまでに追加登録していただければ」と話した。
2社の不服申し立て意向については、「報道は知っていますが、申し立てがまだありませんので、コメントは差し控えさせて下さい」としている。