電車立ち往生で「簡易トイレ」緊急設置 高崎の消防局に話を聞いてみた
「鉄橋上に止まり、事故処理に時間かかる恐れがあった」
ドアと反対側ドアの間の床に、シルバーと青緑色のツートンカラーの細長いテントのようなものが置かれている。これが簡易トイレだ。
上信電鉄48レ(人身事故当該)は電車がしばらく動くことが出来ず、車内で簡易トイレが組み立てられました。 pic.twitter.com/PXEsKJ7X46
— 群馬総合車両センター (@yuuyae233) 2017年12月11日
この写真は、上信電鉄を通学に使っているという「群馬総合車両センター」さんが2017年12月11日、ツイッター上に投稿した。
この日17時55分ごろ、上信電鉄・佐野のわたし―根小屋両駅間で上り普通電車(2両編成)に人身事故が起き、電車は、鳥川にかかる鉄橋上で緊急停止した。
高崎市等広域消防局の警防課にJタウンネットが13日に話を聞いたところでは、消防が現場に駆けつけ、隊員が約50人いた乗客に「ケガをした方はおられますか」と聞いて回った。
幸いケガ人はいなかったが、トイレへ行きたいと訴える人がいた。そこで、現場の指揮隊長の判断で、指揮車に備え付けてあった災害用簡易トイレを車内で組み立てた。
「電車にはトイレがなく、橋の上に止まっていて、事故処理に時間がかかる恐れがありました。車の中には、緊急時に隊員や困っている人が使う簡易トイレがあるので、今回初めて電車の中で使うことにしました」
こうした簡易トイレは、ほかの都道府県でも指揮車に備え付けてあるそうだが、電車の中で使われたケースはなかなか聞かないという。
電車は、現場に1時間20分ほど立ち往生した後、佐野のわたし駅まで走行して乗客を降ろした。簡易トイレは、最終的に使う人はいなかった。この人身事故では、電車が女性と衝突して、女性は死亡した。上下線6本が運休し、タクシーによる代替輸送が行われた。