東京なのに「電車がシカと衝突」 どれくらい生息しているのか聞いてみた
シカは増加傾向で、年間の衝突事故は約100件にも
シカなどとの衝突事故は、2013年度は約60件だったが、15、16年度は約100件にも達した。
八王子支社ではこれまで、侵入防止のフェンスを約9キロにわたって設置したり、ライオンの尿由来の薬剤を踏切で散布したりする事故防止対策をしてきた。さらに、17年1月には、エサや水でおびき寄せる「囲いわな」によるシカやイノシシの捕獲を試行的に始めたと発表した。
山梨県甲府市内のJR中央線の線路近くで9月まで行い、今後については、その結果を見て検討することにしている。
東京都の計画課によると、奥多摩を中心にしたニホンジカの生息数は、推定で2008年は1800頭だったが、12~15年は2500頭と増加傾向にある。要因としては、ハンターが高齢化で少なくなったのと、温暖化で雪が積もらなくなっていることがあるとみている。都では、適正な数を400頭としており、増えすぎているとして管理捕獲に乗り出している。
青梅市の農林課は10月19日、奥多摩の東側に当たる市内の御岳山(みたけさん)一帯にシカが分布していて、ドングリ不作などがあると山里に下りてくると取材に説明した。16年は不作の影響で農作物の食害などが酷く、17年も例年より被害がやや多いといい、年々出没するシカの数が増えているとしている。