台風にはかなわんぜよ? 高知駅前の龍馬像、7度目の「脱藩」から復帰
高知市内にあるJR高知駅前の坂本龍馬像などが、台風18号の接近で一時的に撤去され、「脱藩した」などとツイッター上で話題になっている。
龍馬のほか、武市半平太、中岡慎太郎と、幕末の志士3人の像が横倒しのまま、トラックの荷台に乗っているツイートも出回っている。
発泡スチロール製などで、600万円かけて6年前に設置
台風が四国にも接近した2017年9月16日、こんな様子などがテレビ映像で流れたほか、ツイッター上に写真も投稿された。
土佐勤王党3志士像は、台風に備えてこの日朝に撤去作業が行われ、クレーン車を使って次々に運び出された。3志士像は、発泡スチロールやウレタン製で、高さが約5メートル、重さは400キロにもなる。撤去された後は、像を支えていた鉄の芯棒だけが残り、その写真もツイッターに投稿されている。
見ましたニュースで 龍馬像がトラックで運ばれていく様はとてもシュールでした>RT
— うめ子 (@umkomb) 2017年9月18日
坂本龍馬像って実は発泡スチロール製だから簡単に脱藩出来るらしいね...... →RT
— hiro? (@hirobiro381) 2017年9月18日
三志士像しょっちゅう誰かいねーんだよなw(修理とかお出かけとか)
— 偽もの (@nise_mono_e) 2017年9月17日
像を管理する高知県観光コンベンション協会に9月19日、Jタウンネットが話を聞いたところ、台風で避難させるのは、今回が7度目になる。台風からの吹き返しはもうないと判断して、18日朝には高知駅前に再設置した。
3志士像は、「志国高知 龍馬ふるさと博」の企画として、2011年7月に約600万円をかけて設置されたが、当初から台風時などを懸念する声が出ていた。除幕から9日目には、台風の接近で一時撤去を余儀なくされ、その後も、毎年のようにこの措置が繰り返された。
避難費用約60万円かかるも、「お金に代えられない」
撤去から再設置まで約60万円がかかることから、単純計算でこれまでに420万円の費用が発生したことになる。こうした費用には、県からの補助金が充てられている。
県観光コンベンション協会の担当者は、次のように取材に説明した。
「お金に代えられないところもあるんですよ。刀など弱い部分が折れたりして、通行人や車に当たったりすると、60万円では済みません。また、突風で物が飛んできて、像が壊れてしまうこともありえます。経費を圧迫しているとは、一概には言えないと思っています」
一時撤去のたびに、ニュースなどで取り上げられ、「脱藩した」などとネット上でも話題になる。このことから、協会では、3志士像の宣伝にも一定の効果があるのではないかとみている。
3志士像は、早くも色があせて、白っぽく変色していると報じられていたが、3月からの「志国高知 幕末維新博」を前にお色直しのメンテナンスも行われた。現在は、きれいな深緑色になっているそうだ。