「遠慮のかたまり」、関西じゃなくても「意味わかる」派が多かった
2017年7月に放送された関西ローカルテレビの「東京では通じない関西弁ランキング」というコーナーが、インターネットで全国的な話題となったことがある。
番組では、東京に移り住んだ関西人が思わず使ってしまい、東京ではまったく通じないという場面がいくつか紹介される。「え、これ東京では使わへんの?」「これって関西弁やったん?」と関西人が絶句する、という展開だった。......その代表例が「遠慮のかたまり」。
そこでJタウン研究所では、「『遠慮のかたまり』意味わかる?わからない?」に関して、都道府県別にアンケート調査を行った(総投票数1066票、2017年7月19日~9月5日)。
はたして、その結果は――。
東京でも、3分の2以上が「わかる」派
「遠慮のかたまり」意味わかる?わからない? という問いかけに対しての結果が、下の円グラフだ。「わかる」は778票、73%、「わからない」は288票、27%だった。なんと、「わかる」派優勢だ。
「わかる」と答えた人の率を、各県ごとに0~50%、51~70%、71~90%、91~100%と4段階に分け、比較を試みてみた。その結果を色分けすると、上のような日本地図になった。投票がない場合は、白地のままにした。
色分けされた地図を見ると、「わかる」率が高い赤とオレンジは全国に広がっており、とくに西日本に集中しているようだ。一方、「わかる」率の低いグリーンは北東北、関東の一部、その他に分散している。詳しくは、各都道府県の調査結果を見てみよう。
まず「東京では通じない関西弁ランキング」でも取り上げられた東京都の結果を見てみよう。総得票数は754票で、全体の7割以上を占めていた。「わかる」は526票で、69.8%。「わからない」は228票で、30.2%だった。3分の2以上の人が「わかる」と答えている。どうやら「東京では通じない関西弁ランキング」とは多少異なる結果となったようだ。
次に、神奈川県を見てみよう。「わかる」は64.3%だった。東京に比べると多少低いが、それでもほぼ3分の2弱の人が「わかる」派である。しかし埼玉県22.2%、千葉県50%、茨城県33.3%で、「わかる」派は少ない。遠慮のかたまりは「関東では通じにくい関西弁」と言えるかもしれない。
もっと北を見てみよう。北海道(25%)、青森県(50%)、岩手県(0%)、秋田県(0%)、宮城県(50%)では、もっと「わかる」派は少ない。遠慮のかたまりは「東北では通じない関西弁」と言えるだろう。
最後に、「わかる」派の本家・大阪府も見ておこう。「わかる」は93.8%。「わからない」は6.3%だった。「わかる」派の圧勝である。また京都府87.5%、兵庫県76.2%、滋賀県88.9%、奈良県100%、和歌山県100%と、のきなみ高い。当然のことだが、関西は「わかる」派完勝だった。
全国的に見て、「遠慮のかたまり」はけっこう通じる言葉、と言えるのではないか。