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広島では「冷やし中華」も「冷麺」と呼ぶ

ご当地テレビ視聴隊

ご当地テレビ視聴隊

2017.07.10 06:00
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[Jステーション-広島ホームテレビ]2017年6月29日放送の広島HOMEテレビ「Jステーション」で、広島の冷麺の疑問が紹介されました。

この季節になると、「冷麺はじめました」という張り紙を多く見るようになりますが、関東では「冷やし中華はじめました」と書かれていることがほとんどです。さらに冷麺というと焼肉店でおなじみの料理。なぜ広島では冷やし中華も冷麺と呼ばれているのでしょうか。

「広島つけ麺」も「広島冷麺」と呼ばれていた

中華料理店、そして焼肉店でたずねてみましたが、はっきりとした理由はわからず。そこで、フードコーディネーターの平山友美さんに食文化の視点から伺ってみました。「広島は単に冷麺というと、冷たい麺を略して冷麺と呼んでいる。中華そばの冷たいバージョン」とのこと。

平山さんによりますと、戦後間もない頃から造船業が盛んな呉や尾道に、中国からの労働者が多く入ってきていて、自然と中華麺の文化が根付いたといいます。「造船業が不況になった時に、自家製の麺でラーメンの屋台を出したことで文化が発展したといわれている」と平山さん。

そして冷たい麺の一つ、広島つけ麺も中華麺が使われています。実は広島つけ麺も、昔は広島冷麺と呼ばれていました。ばくだん屋本店の坪井貴史店長は、「冷麺と区別するために名前を変えたと聞いています」といわれていました。

一方朝鮮半島発祥の、焼肉店の冷麺が広島で一般的に食べられるようになったのは、中華麺より後のことだそうです。「近年になって、色々なご当地麺が紹介された中で、韓国スタイルの冷麺が知られていくようになった中で広まった」と平山さん。

広島では古くから中華麺が根付いていたため、中華麺を冷やした物を略して冷麺と呼び続けていたのが、今も冷やし中華が冷麺といわれる一つの理由として考えられます。

「浦野醤油醸造元」公式サイト
「浦野醤油醸造元」公式サイト

そして広島の冷たい麺といえば、もうひとつ、呉冷麺があります。発祥の店、珍来軒で話を聞きました。きゅうりと卵がのっていて、一見冷やし中華のようにも見えますが、どのような経緯で誕生したのでしょうか。

珍来軒の檜垣巌店長は、「中華そばで作ってしまうと、冷やし中華になってしまうのですが、冷麺として全く違う物を作ろうということで、麺から製麺屋さんと共同開発して、平麺を作った。呉冷麺という名前を一筋に頑張っていこうと思うだけで、他店が冷やし中華と言おうが、冷麺と言おうがこだわりはないですけど、全く別物」といわれていました。

それぞれ独自の進化を遂げ、食文化として根付いた広島の冷麺。冷麺といえば、色々な料理が出てくるというのも、広島の魅力の一つかもしれません。色々な種類が出てきましたが、ちょっと食べ比べしてみたいですね。(ライター・石田こよみ)

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