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鹿児島銘菓「かるかん」、原料不足でピンチ? 地元企業に問い合わせてみると...

松葉 純一

松葉 純一

2016.12.08 11:00
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かるかん(Σ64さん撮影、Wikimedia Commonsより)
かるかん(Σ64さん撮影、Wikimedia Commonsより)

鹿児島県の銘菓「かるかん」をご存じだろうか。自然薯をたっぷり使い、蒸し上げた和菓子である。

今から300年ほど前、元禄時代、島津家の第二十代、島津綱貴の50歳の祝いの席に用いられたという記録も残されているが、島津家の婚礼・年始・賀儀などのハレの日に登場した格式高いお菓子だ。「軽い羹(羊羹)」という意味から「かるかん」と呼ばれるようになったとも伝えられている。

この「かるかん」、現在では鹿児島を代表するお土産の一つで、空港や駅の売店でもっとも目立つ場所に並べられている。他にも魅力的なお土産は多々あるものの、とりあえず「かるかん」さえ買っておけば、まず間違いない定番人気商品だ。

ところが11月末から、新聞などでこのかるかんの製造が「ピンチ」という報道が複数出た。原料となる自然薯が不作となり、結果として値上げや、販売を見合わせるなどする店が出ているというのだ。

「久し振りに食べてみたいが....さて?」

ツイッターには、冒頭の報道を知って驚いた人々から、さまざまな投稿が相次いだ。

「かるかん好きなんだよな~??(中略)がんばって」「かるかんは私にとって1番好きな和菓子なので、是非続けて欲しい」「久し振りに食べてみたいが....さて?」「大事件じゃないか」などといった感想だ。

まるで今にも、かるかんが食べられなくなるのでは......と心配する人もいるではないか。いったいどうなっているのか、Jタウンネット編集部は鹿児島に電話して、話を聞いてみることにした。

電話で答えてくれたのは、鹿児島県霧島市に本社を置く「徳重製菓とらや」の岩本総務部長だ。「昨年夏の長雨や大きな台風の影響で、自然薯の生育が良くなかったことは事実です。天然の自然薯は、天候に大きく左右されますから......。一時は原材料の確保にかなり苦労しました」と岩本部長。「今年の7・8月までがピークで、相当に厳しい状況でした」。

「しかし10月に新しい自然薯が入荷するようになって、すっかり状況は改善されました。今年は天候も良く、原材料の確保は順調で、もう大丈夫ですよ」と岩本部長は語る。「年末年始の繁忙期にもご迷惑をおかけすることはございません」とのこと。

少なくとも徳重製菓とらやについては、心配なさそう。かるかん好きの人や、帰省を楽しみにしている人には、なんとも頼もしいコメントだ。

かるかん饅頭(徳重製菓とらや公式オンラインショップより)
かるかん饅頭(徳重製菓とらや公式オンラインショップより)

Jタウンネット編集部は、念のためもう一社に電話で聞いてみた。こちらは匿名を条件に答えてくれた。鹿児島市に本社を置く老舗の製菓会社である。

「原材料である野生の自然薯の確保は、なんとかメドが立っていましたので、この夏場もとくに問題ありませんでした。今後も、もちろん大丈夫です」という返事だった。

どうやら、かるかんがすべて「消える」「食べられない」というわけでなさそうだ。空港、土産店、通販で、かるかんはこれまで同様に購入できる。心おきなく味わえるのだ。

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