列に割り込む=「横入り」、実は方言! 都道府県別に使用率を調べると...
2016.09.23 06:00
「愛知」での使用率が高い
全国平均の集計結果では、「言う」が71.9%にのぼった。「言わない」は約3割となり、かなりの地域で「横入り」が使われているとわかる。都道府県ごとの使用率を比べてみると、青森、宮城、群馬、愛知、滋賀、高知、宮崎の7県が90%以上にのぼった。関東地方で高いのは神奈川県(86.4%)。「横入り」には神奈川発祥という説もあり、それを信じている人も多い。
言わない派が優勢だったのは、新潟、兵庫、鳥取、広島、山口、大分、佐賀、長崎の8県。中部地方から東北にかけて「言う」地域が広がっているが、あまり西日本では使われていないようだ。
ではそもそも、どの地域で「横入り」が誕生したのだろうか。資料を調べてみると、毎日新聞中部版(2009年9月18日朝刊)のコラム「清水義範のなごやキーワード事典」に興味深い記述を見つけた。
「この『横入り』という言葉の意味がわからない名古屋人はいないと思うが、『列への割込み』のことだ。そしてそれは、名古屋弁であり、ずーっと東京では通じない言い方であった」
ここでは小説家の清水義範さんが、もともと「横入り」は名古屋弁で、地元出身の学生が東京で方言を使うことで広まった「東京新方言」の一種だと指摘している。愛知県の「言う」割合は90%であることから、この説は正しいのかもしれない。