ロングセラーの秘密を探れ! グリコの「カフェオーレ」工場に記者が潜入
ドリップ抽出やまろやかさに徹底したこだわり
「カフェオーレ」に使われるコーヒー豆は、香りと苦みが特徴のブラジル産「アラビカ種」と、コクのあるベトナム産「カネフォラ種」のブレンド。この豆の鮮度にこだわり、風味が逃げないよう工場内で挽き、工場内のドリップ式の専用設備で抽出している。このように豆からしっかりドリップ抽出するのは、珍しいのだそうだ。
ドリップの専用設備は5つ容器から成り、1つの容器には100キログラムのコーヒー豆が入る。計500キログラムのコーヒー豆を80度のお湯で1時間かけてじっくりドリップする。お湯も豆に満遍なくかかるようシャワーノズルが工夫されているそう。500キログラムの豆からドリップされるコーヒーは約5000キログラム。この後、牛乳と合わされ約20万本のカフェオーレ分の量になる。ここで抽出されたコーヒーを特別に飲ませてもらったが、牛乳と合わされることも計算されて、非常に濃い。コーヒーの苦みがダイレクトに伝わってくる状態だ。
その後、乳原料(これも生乳と無脂肪牛乳を併用し、まろやかな風味にこだわっている!)と合わされた出来立ての「カフェオーレ」も試飲。実はこの出来立ての状態も、まだ完成形の味ではない。出荷まで1日寝かせ、そこで普段楽しんでいる「カフェオーレ」の味になるのだそうだ。
ちなみに、一番馴染みのある台形型容器の「カフェオーレ」(180ミリリットル)と、500ミリリットルの「マイルドカフェオーレ」も味は違うらしい。「マイルドカフェオーレ」は、ごくごく飲むことを意識して、すっきりした味わいになっているとのこと。メインの客層も、「カフェオーレ」は30~40代の女性、「マイルドカフェオーレ」は男性が多いと分かれているとか。
「カフェオーレ」ができるまでを見させてもらい、とにかく驚いたのが、「ここまでこだわるか!」という細部に渡るこだわりであった。発売から37年間、時代の波に合わせての味の変化はあったものの、変わらずこだわり続けたドリップ抽出とまろやかさの追求が、より多くの人に、ほっとひと息つきたい時に愛されるコーヒー飲料というポジションへ導いたのかもしれない。
8月1日の「カフェオーレの日」には、渋谷でイベントも開催される。